米国大統領には強大な権限が与えられていますが、それと同時に高い倫理観も求められます。しかしトランプ政権では、その常識そのものが揺らいでいるとの批判が絶えません。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、議会も調査へ動き始めているというその実態を伝えています。
史上最悪の汚職ファミリー:その名はトランプ!
ぶっちゃけ、トランプ大統領のわがままぶりは目に余り、本人以外にも親族がその立場を利用して巨額の利益を得ているとの指摘は枚挙に暇がありません。
その筆頭格は娘婿のジャレッド・クシュナー氏でしょう。
政権を離れた直後の2021年に自身の投資会社がサウジ政府系ファンドから20億ドルの出資を受けましたが、2026年現在、彼が「平和特使」として中東外交に関与しながら同時に中東諸国から資金調達を行っていることが、「深刻な利益相反」として激しく批判されています。
また、獄中死したとされるエプスタイン氏と共にアルバニアやセルビアでも高級リゾート開発に関わっていたため、「前代未聞の汚職」と指摘される有様です。
一方、二人の息子も負けていません。
長男のジュニアも次男のエリックも「トランプ・オーガニゼーション」を通じて、ベトナムやサウジアラビア、カタールなど8カ国以上で不動産開発事業に邁進しています。
そのため、ベトナムでの関税緩和やサウジアラビアへの戦闘機売却といった米政府の決定と、これらのビジネスが紐付いているとの疑念も払しょくされません。
加えて、家族が立ち上げた暗号資産「ワールド・リバティ・フィナンシャル」がトランプ大統領の政策(国家的仮想通貨備蓄など)によって価値を高めたり、息子らが役員を務める企業が国防総省から巨額の契約を獲得していることも報じられています。
こうした指摘を受け、議会による調査は進んでいますが、刑事罰としての「裁き」には至っていません。
具体的には、本年4月、民主党のラスキン下院議員らがクシュナー氏の「利益相反」について、大規模な資金調達と外交活動が同時並行で行われている実態を解明するための調査を開始しました。
とはいえ、クシュナー氏は第2期政権において、公式な政府職員ではなく「無報酬の非正規顧問」という立場で外交に関与しているため、政府職員に課される厳格な倫理規定や資産開示の義務を回避しており、司法が介入しにくい構造になっています。
しかも、トランプ大統領自身は「1期目は自制したが何も評価されなかった。今は家族がビジネスを制限する理由はない」と公言しており、家族のビジネスを容認する姿勢を明確にしているため、まともに意見する側近は一人もいません。
これでは、米国の国益よりも「一族の私益」が外交や政策決定に優先されているに等しいことになります。
トランプ氏は2005年、「アクセス・ハリウッド」の録音テープで「スターである俺は何でも許される。たとえ女性を襲っても罰せられない」と豪語していたものです。
ぶっちゃけ、その姿勢は今も変わらず、最近では監視役である監察総監を平気で更迭したりで、その無茶ぶりには開いた口が塞がりません。
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