ウォール街が嫌う、Apple「iPhone販売台数の非公表化」真の理由

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先日行われた4半期決算発表の席で、今後はiPhoneの販売台数を非公表にすると「宣言」したAppleのルカ・マエストリCFO。同社はなぜこのような決断を下したのでしょうか。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では著者で世界的エンジニアの中島聡さんが、この宣言の裏にあるApple経営陣のメッセージと、「iPhone後」の同社に最も期待する次期デバイスについて記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2018年11月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール中島聡なかじまさとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

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Appleが4半期の決算を発表しましたが、売上や利益が順調に伸びているわりに(1年前と比べて売上で20%、一株利益が61%上昇)、iPhoneの販売台数の伸びが鈍化していることを受けて、株価が下がりました。特に今回は、Appleが「今後はiPhoneの販売台数を発表しない」と宣言したのですが、それをウォール・ストリートは極端に嫌っているようです。

iPhoneの販売台数が伸び悩んでいるのは、先進国でのスマートフォン市場が飽和状態になっているためで、販売台数を増やすのが目的ならば、値段を下げて中国やインドで売りまくるしかないのですが、今回の「今後はiPhoneの販売台数を発表しない」という宣言は、その戦略は取らない、という経営陣からの明確なメッセージです。iPhoneの販売台数を発表し続ける限りは、ウォール・ストリートはそれを重視して業績を評価するし、そうなると経営陣もその数字を強く意識して経営をしなければならないからです。

今回の発表を見る限り、Appleの経営陣が、今後の成長はサービスやiPhone以外のデバイスにあると見ていることは間違いありません。サービスの売り上げは順調に伸びており(前年比で27%伸びて$10billion)、iPad、Apple Watch、Apple TV、AirPodなどにもまだまだ伸びる余地があります。

最も伸び代が大きいのは、来年にもスタートすると言われている映像のストリーミングサービスですが、ここはNetflixとAmazonという非常に強いライバルがいるので、簡単ではないと思います。この世界は、結局はコンテンツの力なので、Appleがコンテンツビジネスにそこまでコミットするのが会社の方向性として正しいのか、私には疑問です。

個人的に私が最も期待しているのは、AR専用のデバイスです。iPhoneのアクセサリにすべきなのか、単体で使えるデバイスにすべきなのかは判断が難しいところですが、レーザーで網膜に直接映像を映し出すようなタイプのARグラスがAppleから発売されれば、それに向けたアプリケーションはぜひとも作りたいと考えています。

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