仕事はこれからだ。安田純平さんが「これから伝えるべき」こと

 

つながっていることの否定は閉塞社会を生む

安田さんは「新しい国家」の概念になろうとするISというものを知るために、トルコから国境を越えシリアに渡った。それは人類として何ら恥ずべき行動ではないと思う。

大陸から来る方々が日本を楽しみ、そして消費行動をすることによって黒門市場が生き返ったように、国家イデオロギーのぶつかり合いとは別につながっている事実がある。だから、お互い罵り合うべきではない。

シリアに話を戻せば、私はある高校での講演で、疲弊した農民にIS(イスラム国)がアサド政権の間違いを説き、味方につけ勢力を拡大していったという欧米ジャーナリストの見方を知らせたことがある。

その時に説いたのは、世界平和のために、シリアの農民を救うために新しい農作物や牛の飼育技術で貧困から救う手もある。その技術を獲得するために勉強をしてみてはどうか、ということを話した。

世界を分断するのも、つながっているとするのも、個人の考え方ひとつだが、つながっていることを否定するのは、結局は自分中心となり、視野が狭まってしまい、閉塞的な社会になる。

そうなれば黒門市場も活性することはないだろう。安田さんはつながっていることを伝える人だった。拘束されたことは不本意であろうが、仕事はこれからだ。拘束の間に見た現実や地獄を生きた日本語で伝えてほしいと思う。

image by: MAG2 NEWS

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