トランプの「中国バッシング」に日本が絶対に乗ってはいけない訳

 

だから、日本は「反中バッシングの急先鋒」になるな!

既述のように、日本には、「アメリカがいよいよ中国征伐に乗り出した!」と喜んでいる人たちがいます。それだけでなく、「乗り遅れるな!日本もガンガン中国を叩け!」という人もいる。

こういう見方は、「アメリカが、『中国打倒』で『一枚岩』になっている」とすれば、まあ理解できます。しかし、中間選挙の結果を見てもわかるように、アメリカは分裂しています。しかも、だいたい「半半で分断されている

だから、トランプさんが、ずっと気合入れて中国打倒に取り組んでいくと、「決め打ち」しない方がいい。日本が中国バッシングの急先鋒になれば、突然米中が和解して、梯子を外されたり、バックパッシングされて、日中戦争が起こったりというリスクが常につきまといます

一番いいのは、

  • アメリカとの関係をますます強化する
  • 中国を挑発しない

この2つです。やたらと民族主義的になり、大国を叩きまくるのは、小国の特徴です。たとえば、ジョージアやウクライナは、アメリカに利用され、ロシアと戦い、領土を失いました(ジョージアは、南オセチアとアプハジアを、ウクライナは、クリミア、ルガンスク、ドネツクを事実上失った)。

また、韓国も中国に利用され日本バッシングを熱心にやった。日本は、アメリカの同盟国ですが、中国に対し、韓国が日本にするような「品のないこと」をすべきではありません。

習近平に「こんにちは!」といってニッコリ微笑み、「お元気でいてください。さようなら!」といって帰ってくればいい。しかし、いつも忘れてはならないのは、日本にとって

  • アメリカ >>>> 中国

という関係性です。

image by:Gino Santa Maria / Shutterstock.com

北野幸伯この著者の記事一覧

日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝のメルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。まぐまぐ殿堂入り!まぐまぐ大賞2015年・総合大賞一位の実力!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ロシア政治経済ジャーナル 』

【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

print
いま読まれてます

  • トランプの「中国バッシング」に日本が絶対に乗ってはいけない訳
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け