さよなら、アメリカ。それでも日本が中国と組んではいけない理由

 

複雑な国際情勢に

中国がロシアと組んでいるのは、米国の覇権を放棄させるためであり、次の覇権獲得では敵になることがわかっている。ロシアは単独では、覇権を獲得できない。日本も覇権獲得は無理であり、日露で協力しないと、中国に覇権が行くことになる。日露は米国後の時代を見据えて同盟関係を築くしかないと見る。というように、複雑な同盟関係になり、複雑化した国際情勢になってきた。

自由主義対社会主義というイデオロギーの時代は過ぎ去り、自国の国益を重視する新帝国主義の時代になっている。日露関係をイデオロギー的や歴史的におかしいなどという意見が評論家に出ているが、今の時代を見る目がないとしか思えない。覇権移行期であることを分かっていない。

欧州はEU維持で手いっぱいになっている。ドイツのメルケル政権も終わり、フランスのマクロン大統領も日産を奪い取り、国力を向上させたいが、日産の反発でできなくなった。イタリアはEU離脱の方向に行く。ドイツや東欧と中国の関係は良好である。ドイツや東欧と中国でロシアを二正面作戦で挟み撃ちできるからで、ドイツと東欧の敵は、ロシアであるからだ。

中東もロシアの影響力が増大して、米国の影響力が衰退している。しかし、イスラエル支援のために、米軍はシリアから撤退できない。

海洋国家の英国日本米国豪州などは協力して中国対抗を打ち出せる。海の自由を確保することで、利害が一致している。フランスも日産の莫大な利益を受けているので日本の味方になる。ということで、海の覇権を維持したい海洋国家連合もできる。

日本は2正面作戦にはならない。太平洋をバックしているので、中国以外ではだれとも組めることになる。それが日本の強みになっている。

その強みを生かすかどうかで、日本の立ち位置は決まるような気がする。

さあ、どうなりますか?

image by:Evan El-Amin / Shutterstock.com

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