「駅から遠いマンションは早く売った方がいい」は本当なのか

 

では…「価値が落ちない」10%~15%のマンションを除くと、「だらだらと下落」する、駅からの距離があるマンションは所有し続けるより早く売った方がいい?と究極の質問をしてみました。長嶋さんの答えは明確で、「その通り」でした。あまりに明確だったので、会場からは笑いが…。みんな、何となく思っていてもいいにくかったことなのです。

それに対して、小林先生からは、売って出ていく人は、それでいいかもしれないが、残った人たちがどうするのかという問題がある…との指摘がありました。

マンションを売って出ていくということは、適切じゃないたとえかもしれませんが、沈みゆく船から自分だけ逃げ出すようで…そのマンション、団地に長く暮らしてご近所と仲良くつき合ってきた方は、何となく周りに悪いような気持にもなるのです。でも、そこは、冷静に現実を見なければいけないのです。

自分が、そのマンションを気に入っていて、そこが、周辺環境、コミュニティも含めていいと思えば、市場価値がどうあろうが関係がないのです。特に、高齢になって、通勤という苦行?から解放されたら、駅からの距離はあまり関係がなくなります。都心への交通の便より、地域の公民館、図書館、福祉センター、かかりつけ医等のところへ徒歩やバスで行きやすいことの方が大事になります。駅から遠くても、がんばってマンションを維持管理することです。

でも…一人暮らしが難しくなって施設に入居した、親が亡くなって相続した、というような事情で空き室にしているのだったら、また、いつか値上がりするときが来るかもしれない…なんて漠然とした希望は捨てて、できるだけ早く売却した方がいいのは間違いないようです。

市場価格がぐっと下がるということは、若いファミリーやローンを組むのが難しい高齢者にも買いやすくなるということです。それは、それなりの市場価値で、空き室をなくすることに繋がり、マンションが住まいとしての価値を保つためには決してマイナスではありません。価格が下がることで、親のマンションにもう一戸購入して、親子世帯の近居もしやすくなると小林先生も言われました。

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