少子化に逆行。大炎上した「妊娠加算」は、結局誰が得するのか

 

大塚T 「妊婦加算は去年10月、診療報酬を決める協議会で厚生労働省が提案し、導入が議論されたそうよ」

E子 「協議会では『妊婦へのきめ細かいケアへの評価を充実させる必要がある』という前向きな意見のほか、『妊婦へのどういう配慮を評価するのか明確するべきだ』といった慎重な運用を求める意見も出ていて、最終的には『妊娠している人が安心して受診できる環境づくりのため』として導入が決まったのよね」

大塚T 「妊婦の診察には胎児への影響や流産などの危険を考えて、検査や薬の処方を、より慎重に判断する必要があり、厚生労働省は『丁寧な診察を高く評価するもの』としているわ」

E子 「平成17年からは、国立成育医療研究センターに『妊娠と薬情報センター』をおいて、医薬品が胎児へ与える影響など最新のエビデンスを収集・評価するとともに、その情報に基づいて、妊婦あるいは妊娠を希望している女性の相談に応じることは始めていたそうよ」

大塚T「ふーん、そういう実験的なことも先に始めてはいたんですね」

新米 「ところで、妊娠加算って妊娠していたら、なんでもかんでも加算されちゃんですか?」

E子 「うーーん、加算は妊婦が外来を診察する場合初診再診を問わずすべての診療科で発生し、どういう配慮をしたら加算できるといった細かい決まりはないそうなのよね」

新米 「なんだかな~。かなり曖昧なんですね」

大塚T 「そうそう、妊娠していることが診察後にわかった場合は加算できないっていうのはあるでしょ」

新米 「え?ちょっと待って、そしたらおかしいですよ!」

大塚T 「何がおかしいのん?」

新米 「だって、この議論のきっかけになったツイートって、『この前皮膚科に行ったら、お会計に呼ばれて【あれ、妊娠中ですか?ならお会計変わります】と言われて、会計高くなった』ってツイートでしたよね」

大塚T 「あっそうやね、ホントだわ。診察後にわかったのに加算されるのはおかしいってことよね」

E子 「おっ、新米くん、そこに気づいたのは、えらいやん!」

新米 「へっへぇ~(思わずにやにや笑いをした俺(^_-)-☆)このツイートをしたのは24歳の妊婦の方で、これに対して1週間で、3万5,000以上のリツイートがあったそうですよ」

大塚T 「わぁ、そんなにたくさん!だから、これだけ話題になったのよね」

E子 「自民党の小泉進次郎厚生労働部会長も吠えたわねぇ。不適切なケースが見つかっている問題に関し厚労省に対応を求めたことも大きな話題になっているわね」

新米 「だから、また議論が始まったんですよね」

E子 「そう。11月の段階で小泉進次郎さんは、部会後の記者ブリーフィングでも『コンタクトレンズと妊婦さんと関係があるのか』、『妊婦加算については、さまざまな国民の声もある。このまま放置するわけにいかない』と妊婦加算について見直しを要請してたわね」

大塚T 「小泉進次郎さんの発言のように『社会全体で子ども・子育てを支えていかなければいけないという、大きな政治のメッセージと、妊婦加算、妊婦さんが自己負担しなければいけないというところが逆行している』という点は同感だわ」

E子 「ネットでも『少子化に逆行する』とか『妊婦税だ』などと疑問の声が溢れかえってるでしょ。ワークライフバランスを進める!という一方で私も、矛盾は感じるわ」

大塚T 「厚生労働省のホームページでもこのことは取り上げられていますね。

12月14日の記者会見で、厚生労働大臣は、「妊婦加算については、いったん凍結することとし、妊婦の方に対する診療の在り方について、有識者も含めてご議論いただいた上で、改めて中央社会保険医療協議会で議論してもらうこととしたいと考えている。

っていうメッセージを発表しています」

print
いま読まれてます

  • 少子化に逆行。大炎上した「妊娠加算」は、結局誰が得するのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け