探偵が調査。なぜ「学校運営協議会」は各地で暴走しているのか?

 

さて、なぜこのようなことが起きるのか

学識経験者について定義がない

一般に学識経験者とは、「学問上の知識と高い見識を持ち、生活経験が豊かであると社会が認めている人」とされている。コミュニティスクールの中核として、学校運営協議会の設置を進めている文部科学省においては、早急にこの「学識経験者についての定義を定め似非の存在を早急に排除するよう各教育委員会に通知する必要があるだろう。

また、「その他教育委員会が適当と認める者」というようなザクッとした条文は濫用要件となりやすいからガイドラインを定めて、最低限の条件を定める必要があろう。

監査機能がない

一方で、PTA予算や学校の予算を含めそれに意見することができたり、その配分を管理するなどする機能がある学校運営協議会においては、一般企業と同様に、監査機能をもつ必要もあるだろう。また、委員の任期が長期化しある種の王国を作らないようにすることや癒着を防ぐという機能を持つ必要もあろう。

監査機能なき組織は必ず腐敗する、定義なき言葉は濫用の要件となりやすいのだ。
コミュニティスクール理論はいじめ防止にも繋がる有意義な制度であるのだから、文科省においても、各教育委員会においても、小さな組織を作っていく上で絶対あってはならない腐敗と濫用を防ぐ手立てを早急に取り組んでもらいたい。

編集後記

小さな問題でしょ?と言われれば、確かにそうです。ですが、捨て置けない問題であり、こうしたちょっとした問題が大事に繋がると思います。

その実、私が率いるT.I.U.総合探偵社などは体育会系のノリなところはありますが、上下関係だけの縦社会を私が嫌っているため、排除しています。それは、パワハラを防ぐためでもあります。

体育会系のノリ=組織的にパワハラを許容、と解釈できる事案はあまりに多いからです。

社内でも私は定義を設けています。主任となるには、こういう実績とか評価基準はこの基準というようにハッキリ明示しています。恣意的なことはしないというのが方針です。

民主主義とは何か、小社会であっても定義や基準を明示化して誰もがわかる状態にすることはあって然るべきです。

現代のどこかの国のように、適切なみんなが望むリーダーがいないけど、候補の中ではあの人以外はダメだからでリーダーが決まるのでは悲しいですね。

リーダーがどういう姿勢で態度で動くのか、それによって組織は上下左右に踊ることもありますから、今回の学校運営協議会のような問題は、文部科学省が特にリーダーシップを発揮してくれたらと思います。

メルマガのご登録により阿部さんの活動を支援することができます

image by: oasis2me / Shutterstock.com

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」 』

【著者】 阿部泰尚 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 9日・23日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 探偵が調査。なぜ「学校運営協議会」は各地で暴走しているのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け