教育委員会はダンマリだが
教育委員会事務局サイドに接触を取ろうとしたが、基本的に取材はNGとのことだが、資料を読み込めば、山梨市教育委員会が何を問題視していたが透けて見える。
1.物言う女が嫌い
当時の教育長らによれば、髪切り事件発生で不登校となった事件は山梨県内ではニュースとなった。これによって重い腰が少しだけ浮くのだが、至極当然に対応を申し出ているA子さんの母親に対し、「教えを乞う」態度ではないし、言うことが「都合が悪い」から「モンスターペアレント」であると事実認定をしている。
つまり、物事をしっかり話し、主張すべき主張をする母親はモンスターということだ。当時の録音など聞いていると、女性蔑視とも取れる対応が容易に想像できる。
2.あからさまな差別
A子さんは父親が外国人であるが、そうしたことを差別視しており、「地域との繋がりが薄い」から「いじめが起きるのだ」「髪を切られるのだ」という議題が教育委員会会議録に存在している。
これは髪切り事件が山日新聞や読売新聞の報道されたことを受けてされた会議の中で話されており、要約する限り、「報道自体は母親がリークしたに違いない(実は教育委員会内部からの情報)、あんなに止めたのに、なんてことだ!こんなことになったのは、あの親子は地域との繋がりが薄いから、報道されることが『山梨県の恥』になることがわからないんだ!」ということが話されていた。
ところが、事実として、A子さん親子に関しては、地元のNPOや社会福祉関係の団体など複数の市民団体が支援をしており、2019年1月8日の刑事告訴についても市民団体などの支援があったのだ。
つまりは、実際はA子さんらは加害者側の地元民は除いて、それ以外の地元とはしっかりとした繋がりがあり、特に行政サービスの大きな穴を担う市民団体からは協力支援を受けていたのであり、「地域との繋がりが薄い」というのは、当時の教育長をはじめとした教育委員会サイドの勝手な思い込みであるということがわかる。それを一般的に「差別」と呼ぶ。
意識は改革しない、もはや解体と再構成が必要
この事件は実際に起きた日本の事件である。差別的いじめが放置放任され、その上でなぜか被害者の髪を誰もが笑うレベルに切るという滅茶苦茶な事件があり、さすがにやばいと思った学校長を含め市教委の教育長ら幹部が、必死に蓋をして隠そうとしたものだ。
その中には外国人蔑視や差別、何か主張すればモンスターだというとんでもない意識が背景にある。
こんなやつらに日本の教育を委ねていいのだろうか、答えは否しかないだろう。
よく何か事件が発覚すると、再発防止のために意識を変えるよう努めるというが、はっきり言う。「意識改革など絶対にできないし、意識を変えるだけなど不合理」だ。それ以前に、仕組みや構成を変えなければ、何も変わることはない。
もはや、一旦解体。その上で教育組織がどうしても必要ならば、人を変え再構成する方がいいだろう。
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