2012年には、裁判で界壁がない事実が明らかになり、レオパレス側も認めて和解に応じ、改修工事を行っているのです。それなのに、その裁判のことも、社長以下経営陣がまったく知らなかったなんてあり得ないことだというのは、誰が聞いても明らかじゃないでしょうか。
新たな問題の発覚を受け、レオパレス21は今期、380億~400億円の赤字を見込んでいると発表しました。それでも、レオパレス21経営陣は、18年12月末時点での現預金は892億円、自己資本は1069億円で、自己資本比率は35%。資金は十分あるので問題ないと言っているようですが…。今の状況で、新たに、レオパレス21と契約しようという人が現れるのでしょうか…。
しかし、早急に今の居住者に引っ越しをお願いし、改修工事を終える…それを急いでもらわなければなりませんから、居住者のためにも、オーナーのためにも、それまでは、この会社に持ち堪えてもらわなければならないと、複雑な思いがします。
しかし儲けていたんですね。サブリースというのはそんなに魅力があるのでしょうか。不動産関係の方に聞くと、相続税対策、家賃保証、働かなくてもお金が入るというのは、いつの世になっても強い魔力を持つのだといいます。
私は、こんなに粗悪な住宅が大量に造られ、そんなところに我慢して暮らす人がたくさんいたことが、何だか悲しいです。設計者、施行者、チェックする行政…専門家が多数関わりながら、1324棟で、それが見逃されていた事実は、余りにも重いと思います。
唯一の救いは、実際に火災等で被害者が出ないうちに、この事実が明らかになったことです。『ガイアの夜明け』、お手柄だと思います。
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