東京ディズニーRが抱える「世界観の崩壊」という深刻なリスク

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2018年4月に開園35周年を迎えた東京ディズニーリゾート(TDR)の業績が絶好調です。19年3月期の営業利益も過去最高を更新すると見られていますが、「今後は予断を許さない」とするのは、店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さん。佐藤さんは自身の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』で、「チケット料金」と「世界観」という2つの面からTDRの「死角」について考察しています。

業績好調の東京ディズニーRに潜む「深刻なリスク」

東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドの業績が絶好調だ。1月30日発表の2018年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比9.6%増の3,996億円、本業のもうけを示す営業利益が14.3%増の1,067億円だった。最終的なもうけを示す純利益は7.1%増の743億円だった。

18年4月に始まったTDRの開業35周年イベントの効果で入園者数が増えたことに加え、35周年イベントの関連商品の販売が伸びて入園者1人当たりの売上高が増加したほか、宿泊需要の高まりでホテル事業が好調に推移し、大幅な増収となった。また、増収効果がコスト増を吸収し、営業利益を押し上げた。

TDRの入園者数は好調に推移している。13年度に3,000万の大台を突破し、17年度まで5年連続で3,000万人超えを実現したが、18年度も好調に推移しており、上半期(4~9月)の入園者数は前年同期比5.0%増の1,551万人と上半期として過去最高を更新した。35周年イベントが好調だったほか、3月に年間パスポートを値下げした効果が出たとみられる。

業績は好調に推移しているが、19年3月期の業績見通しは従来予想を据え置いた。売上高は前期比4.5%増の5,008億円、営業利益は2.9%増の1,134億円を見込む。純利益は1.4%減の800億円とした。ただ、集客状況などから従来予想を大きく上回って終着するとみられており、営業利益は過去最高(14年3月期の1,144億円)を更新することがほぼ確実視されている。

順風満帆に見えるTDRだが、19年度は予断を許さない。18年度に実施した35周年イベントの反動減は小さくないとみられるためだ。19年7月に、約180億円を投じて建設する新アトラクション「ソアリン」が開業する予定だが、35周年イベントの反動減を補えるほどの集客が見込めるかは不透明だ。

そういったなか、当面の業績を大きく左右する施策で焦点となるのが「チケットの値上げ」だろう。収益の最大化と入園者数の調節を目的に16年まで3年連続で値上げしたが、17年と18年は値上げを見送っている。今年は10月に消費増税が予定されており、3年半ぶりとなる値上げに踏み切る可能性が高い。

TDRは混雑による顧客満足度の低下が指摘されており、混雑解消が重要な経営課題となっている。混雑を解消するためにチケットの値上げを実施する側面もある。

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