【書評】あの日航機墜落が「事故」ではなく「事件」だった証拠

 

前著の出版後、新事実や目撃情報が読者らから多数提供された。公式発表の事故の情報や状況に、いまだ疑問を持ち続けている人たちが数多くいる。2015年には東伊豆町沖合の海底から、123便の部品が発見された。事故当時でも発見は容易な場所だった。元事故調査官は、分析すれば事故の詳細が明らかになるとコメントしたが、運輸安全委員会は既に事故調査終了していると言うだけだった。

このままでは、一方的な情報だけで123便墜落そのものも、永遠に葬り去られると危機感をもった著者は、最初の出版後も丹念に調査を重ねていくにつれ、調査委の発表に大きな疑念を抱く。具体的な目撃情報が続々と寄せられた。迷走する日航機を2機のファントムが追尾していたのを目撃していた人が多い。墜落現場に近い帰省先で、確かにその2機を見たという一等陸曹の手記もある。

まだ明るい墜落前に、自衛隊は日航機を追尾して飛行状況を確認した。さらに墜落するその時までしっかり見ていたという事実、もはや墜落場所が一晩中特定できなかったという言い訳は通用しない。ファントム2機の存在は今も隠し続けられている。そうしなければならない理由が、日本とアメリカのあいだにあったとしか考えられない。

やはり、「事故ではなく事件」なのだ。目撃者はじつに多い。特に注目すべきは子供達の目である。墜落現場に近い上野村の小学校、中学校の生徒達の体験記文集からは、墜落前に大きい飛行機と、2機のジェット機を見たという記述がいくつもある。また一晩中、墜落現場では自衛隊などの救助ではない行動がとられていた、というのも事実である。

32年間、著者は墜落に関する新聞記事など膨大な資料を、現在から墜落時まで時系列に遡って読み込み、「これは未解決事件である」と断じている。そして、武器を持つ自衛隊や米軍が関与していると思わざるを得ないと結論づける。三十三回忌に出版されたこの本、わたしが読んだのは第9刷。もっともっと多くの人に読んでもらいたいと思う、前日、伊丹→羽田と逆コースに乗ったわたしであった。その後、青山透子『日航123便墜落 遺物は真相を語る』が2018年に発行されたが、未読である。

編集長 柴田忠男

image by: PATARA / Shutterstock.com

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