日本はなぜ「極東」なのか?「スタンダード世界地図」のススメ

 

端っこが嫌だから、自国の世界地図くらい真ん中に持ってこよう、という気持ちはわかります。でも、世界では、世界の人間から見れば、日本のロケーションは端っこなんです。世界で最も刷られている「世界地図」がそうなっている。

端っこでいいじゃないか。あんな端っこのちっちゃい、ちっちゃい国が、世界的にも非常に重要な意味を持つ国でいる。80年代には「経済大国」となり、今現在でも世界最大のサブカルチャー大国として認識され、食に至っては、フランスを抑えて、世界ナンバーワンと思われている。

欧米諸国からは驚異だったと思います。何度も言うけど、端っこだもの。いちばん隅っこ。で、地図を見れば一目瞭然ですが、笑えるほどちっちゃい。そんな国が第2次世界大戦以前、清やロシアといった当時の大国に戦争で勝利し、戦後40年以上経ってからはロックフェラーセンターまで買っちゃった。わけわかんないと思います。世界の人は。この小国、どんだけすごいんだ、と思ったことでしょう。

その地図だと、日付変更線は当然のごとく、いちばん右。つまり、最も早く、太陽が昇るのは日本だということが、一目瞭然でわかります。日の出ずる国だからこそ、の神秘性すら、世界は感じてくれたのではないでしょうか。真っ先に太陽の恵みをもらえる国だからこそ、何か特別なエリアとして、特別なフォースを持ち、経済も文化も世界の中心に食い込んだ。(とか?これは、勝手な想像だけど)

あとは、世界は「西欧」「中東」「極東」と分かれるように、やっぱりスタンダードな世界地図の方が東西南北もスッキリ納得できるんです。日本が真ん中の地図だと、東側に「西欧」、西側に「極東」と、わけわかんなくなる。

例えば、世界の航空会社の国際便でいちばん、本数が多いのは、ロンドン─ニューヨーク間だそうです。これもスタンダード版だと、納得です。世界地理から見ると、実は、意外と、ロンドン─ニューヨークは近い。スタンダード版を見慣れている世界の人は、今の世界の(語弊はあるけど)主役の2都市の距離感を無意識に意識下に刷り込んでいるはずです。大西洋を挟んで、ヒョイっと行ける。経済上、金融上、貿易上、この2都市間は行き来が多いんだろうなぁくらいは地図を眺めるだけで想像がつく。

日本版世界地図に慣れている人に、いきなり「ニューヨーク─ロンドン間って、どれくらい離れてると思う?」と聞いても、すぐには答えられないかもしれません。日本版世界地図では2都市間は、平面上で見ると世界の端っこと端っこ。(ニューヨークとロンドンをそれぞれ端っこに置くのも、結構、ツラの皮厚いな、ニッポン!笑)

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