そしてこれは、話し手がうまく話してスッキリするという意味だけではありません。豆をまとめて、と依頼されて、とりあえず、まとめ作業に手を付けてしまう。これは、自分の思い込みによる基準で作業を開始してしまう、勝手な判断です。
とりあえず、豆の種類ごとに集めておこうか、ぐらいに思ったのかもしれませんが、もしかしたら、違う種類ひとつずつを集めてワンセットにするのが、依頼の真意かもしれませんよね。
このクイズは「豆のまとめ方」という設定ですから、なんだ、そのぐらいのこと…。と思われたかもしれませんが、では、「〇〇について、説明してください」と依頼されたとしたら、あなたは最初に何をしますか?いきなり、〇〇という情報のザルの中に、手を突っ込んでいないでしょうか?
ここで思い出してください。逆に、頭の中を表現し尽くして、話してスッキリできる人は、まずどういう言動をしていたでしょうか?クイズの例では、「どういう基準でまとめますか?」と聞くことから始まりました。
ポイントは、指示した依頼者に真意を聞くことというよりは、
- いきなりザルの中に手を突っ込まずに
- このあと自分がやるべきことを
- より厳密に定義することから始める
というところです。より厳密に定義したかったので、相手に質問することから始めた。因果関係はこうなります。
これを、話す時の発想法に変換するならば、「今からどういう話をすべきか」「今から話すことに求められること、必要な情報は何か?」を、
- 話し始める前にそれを認識し
- 話す本人が自分で「話す範囲を限定」すること
話す前に、話すことの範囲を小さくして、強く明確にそれを意識できているからこそ、話の途中で、頭が白くならないんですよね。
そしてその話す途中での情報の取り出し方、豆の例で言えば、ザルの中から豆をどう取り出すか?この発想、思考過程にも、頭の中をスッキリ表現し尽くすための、第二段階以降があります。
次回はそれについて、解説しますね。
image by: igor kisselev, shutterstock.com