大ブレの経団連。小泉元首相との公開討論から逃げ回る理由

 

「なんじゃこれは」。原自連幹事長の河合弘之弁護士は一瞬、そう思ったという。しかし、二度の中西発言に「一般公開の討論が必要」という考えは共通していると見なし、2月13日に再度討論会開催の申し入れを行った。

経団連サイドは「エネルギー問題についての考えを、4、5月ごろにはまとめたいのでそれを見てもらいたい」と回答し、申し入れに応じるかどうか明確にしていない

だが、応じるにしても、考えを固めてから討論するのでは順序がアベコベではないか。

結論ありきで公開討論会を開き、原発推進のための“仕込み質問をサクラ参加者にさせていた2005年12月25日の玄海原発3号機プルサーマル計画公開討論会を思い出す。

この討論会、賛成の立場から発言した8人のうち7人が実は一般市民を装った九電関係者だった。

インターネット生中継で、視聴者の賛否メールを募集したら賛成が反対の2倍近くにおよんだ。実は九電が関係会社の社員らにメール投稿を依頼していたことが後に判明、“やらせ公開討論”であったことがバレてしまった。

またそれより少し前の同年8月19日、「原子力政策大綱案」策定をめぐって内閣府の原子力委員会が福島市で開いた「ご意見を聴く会in福島」でも、東電が参加者の3割ほどにあたる約40人を関連企業などから動員し、核燃料サイクル推進を盛り込んだ大綱案に賛成する“やらせ発言”をさせていた。

中西会長が年頭会見で開催を訴えた「一般公開の討論」は、まさかそのたぐいをイメージしたものではない、と思いたい。

だが、原自連の申し入れに対し「ちょっとニュアンスが違うのかな」と言った久保田事務総長の反応が気になるところだ。

ひょっとしたら、中西会長が前言を翻した背景に、経団連事務局との認識のギャップがあるのかもしれない。

中西会長は英国の原発建設計画を推進しようとし、3,000億円もの大損失を日立に被らせた張本人であり、その意味では原発には“懲り愛着の両面を抱いているだろう。

年頭会見で述べたように、国民の反対を押し切って原発メーカーや電力会社が無理やりつくるのでは、企業の大きなイメージダウンにつながる。だが、できることならノウハウを積み上げた原子力技術を生かしていきたい。

そういう葛藤のなか、原発をどうするかについては公開討論で決めてほしいという心境に至り、年頭発言につながったのではないだろうか。

時代の変化に対応するのが企業存続の絶対条件だ。海外での原発建設も、国内での原発推進もできないと腹を決めさえすれば、廃炉ビジネスや自然エネルギー事業にしっかりとシフトチェンジできるだろう。

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