ランナーを惑わす「糖質=悪」のイメージ。プロ推奨の糖質摂取法

 

同じ事がグリコーゲンにも当てはまります。もし、フルマラソンを走るエネルギーのすべてをグリコーゲンで賄うことができたならば、それはきっとハイパフォーマンスが期待できるでしょう。

ざっとした計算でいうと、体重×距離がその必要なカロリーと言われていますから、例えば体重70kgの人であれば70×42.195=2,953kcalとなります。しかし、体内のグリコーゲン量は筋肉と肝臓に蓄えられている分をすべて合わせても、せいぜい2,000kcal分しかありませんから、どれほど頑張っても約1,000kcalは足りない計算になります。

仮にグリコーゲンローディングをしたとしても肝臓に蓄えられるグリコーゲンには限界があって、100g程度(400kcal)となるため、もしグリコーゲンを増やそうと思えばもう一つのタンクである筋肉を大きくするしかありません。

今の私の体重がざっと75kgほどですが、私が筋量をまったく落とすことなく50kgまで減量をすることが出来た場合に、机上論的にはグリコーゲンのエネルギー量でフルマラソンをこなせることになりますが、まぁ現実的とは言えませんね。

そこで、いつまでもグリコーゲンだけにこだわるのではなく、潔く脂肪をエネルギーとして活用する方にシフトしていくわけですが、この脂肪の燃焼にも深くグリコーゲンは関与しています。

まず、グリコーゲンが足りない状態になると、解糖系からピルビン酸へと続く流れの先にあるクエン酸回路内でオキザロ酢酸が作られにくくなります。いわばクエン酸回路の材料が不足気味になるというわけです。

また、グリコーゲンが少なくなっている状態は、糖新生を起こしやすい環境とも言えます。元来、糖質と脂質がエネルギーとして使われるのが通常なのですが、もうひとつエネルギーをもつ栄養素がタンパク質です。

このエネルギーをもつ3つの栄養素の総称が三大栄養素なのですが、タンパク質は体の材料としての役割が中心であってエネルギー源としての活用はイレギューラーです。

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