拉致問題、北方領土交渉、対中国関係も遅々として進んでいないが、日本の中では誰がやってもそう変わらないだろうという諦念が当たり前のようになっているし、他の候補も野党もこれっ!といったアイデアも行動もみせないため、安倍氏でいいんじゃないかという雰囲気に落ち込んでしまっている状況のようである。誰かが「なるほどそんな手を打ってみたら面白い」と思うようなアイデア、行動が出てくれば、今の沈滞した政治状況は変わると思うが、どこにもアイデアや構想力、行動が出てきていない。
そんな状況だから、政治家はもちろん企業や国民の中からも胸のすくような提案は出ず、平々凡々たる安倍政治にまかせておいた方が安心だという雰囲気に取り囲まれているのではないか。世界をみても、どの国の政治にも新風は吹いておらず、日本もその渦の中に飲み込まれ、国民も「仕方なし」とあきらめているようにみえて仕方がない。
「三・角・大・福・中」時代や「安・竹・宮」の頃のほうがそのうち何かが起こるのではないかという“期待”感があったような気がする。政治が“小粒”になってきたということなのだろうか。いまや外交は安倍、国内の政治の操縦は菅官房長官が一手に引き受けて政局は一見、安定しているようにみえるが、実際は国民の政治的関心が薄れてきてしまっているだけではないのか。
(Japan In-depth 2019年3月16日)
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