まさかの長期政権。神輿の上で笑う安倍首相、ほくそ笑む官房長官

 

拉致問題、北方領土交渉、対中国関係も遅々として進んでいないが、日本の中では誰がやってもそう変わらないだろうという諦念が当たり前のようになっているし、他の候補も野党もこれっ!といったアイデアも行動もみせないため、安倍氏でいいんじゃないかという雰囲気に落ち込んでしまっている状況のようである。誰かが「なるほどそんな手を打ってみたら面白い」と思うようなアイデア、行動が出てくれば、今の沈滞した政治状況は変わると思うが、どこにもアイデアや構想力行動が出てきていない

そんな状況だから、政治家はもちろん企業や国民の中からも胸のすくような提案は出ず、平々凡々たる安倍政治にまかせておいた方が安心だという雰囲気に取り囲まれているのではないか。世界をみても、どの国の政治にも新風は吹いておらず、日本もその渦の中に飲み込まれ、国民も「仕方なしとあきらめているようにみえて仕方がない。

「三・角・大・福・中」時代や「安・竹・宮」の頃のほうがそのうち何かが起こるのではないかという“期待”感があったような気がする。政治が小粒になってきたということなのだろうか。いまや外交は安倍、国内の政治の操縦は菅官房長官が一手に引き受けて政局は一見、安定しているようにみえるが、実際は国民の政治的関心が薄れてきてしまっているだけではないのか。

(Japan In-depth 2019年3月16日)

image by: 安倍晋三 - Home | Facebook

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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