なぜ横浜DeNAは人件費も広告費も削らずに5年で黒字化できたのか

 

DeNAの成功の秘密

そして、マーケティングですから「誰に」を明確にしなくてはなりません。当然、DeNAは、まず顧客ターゲットを明確にしてからマーケティングを始めました

それは「アクティブサラリーマン」です。「野球好きのおやじ」ではありません。つまり、20~30代の働く男性でアウトドアやイベントに出かけることを好む人たちです。そうしたターゲットに対して、体験を提供しようと考えました。

そして、売上の公式は「客単価×客数」です。客単価よりは観客数を増やすことを優先しました。そのためには「チームが強くなることだ」という古い意識を変えていきます。スポーツショップでも「商品を安く値引きをすればお客様が増える」という古い考え方を持っているのと同じです。DeNAは、それを「楽しめる体験」で目的を果たそうとしました。

実はこの体験も、本当に成果があがるかどうかやってみなくては分かりません。いろいろなアイデアを出して実行しましたが、失敗したことも少なからずあったそうです。挑戦することが大切だということを示しています。

DeNAには、まだ成功の秘訣がありました。黒字になるまでに、5年という時間がかかっていますが、決して経費削減という方法をとらなかったことです。経営を頑張って売上や利益を増やし、その利益を選手や施設への投資にまわしてきたために黒字になるまでに時間がかかりました。

よくある、人件費や広告宣伝費のカットではなく、逆にそこを増やしたのです。立派な経営だと言っていいでしょう。

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