池田教授の懸念。AI活用の広がりが、社会的格差を固定化する理由

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アマゾンから書籍をオススメするメールが届くようになり、「余計なお世話」でしかないものの、AIの利用法としては「至極真っ当」と語るのは、CX系「ホンマでっか!?TV」でもおなじみ、メルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』の著者で生物学者の池田清彦先生です。ただし、AIは、すぐに結果が出ない「人間への評価」をし始めると、現在の社会的格差をもデータとして利用するために、その格差を追従することで固定化することになると警鐘を鳴らしています。

AIは格差を固定する?

アマゾンで書籍を買うようになって、しばらくした頃からお薦めの本があります、といったメールが届くようになった。私が過去に買った本の傾向を分析して購入しそうな書籍を紹介してくれるのだ。便利だと思う人もいるだろうが、私としては余計なおせっかいだ、という思いの方が強い。

こういう芸当ができるのは過去のデータを集積して、適当なアルゴリズムを働かせて、私の読書傾向を推定することが可能になったからである。AI((人工知能)のデータ集積能力と計算能力がひと昔前に比べ桁違いに高くなったおかげで、商品の販売戦略は、テレビや新聞といったマスメディアを使って、不特定多数の人に向かって行う宣伝よりもむしろ、個々人に直接働きかけるやり方がメジャーになってきつつあるようだ。

最近話題を集めている無人スーパーは、省力化を進めて、人件費を削減するといった企業にとってのメリットは大きいと思われるが、逆から見れば、レジ係はクビになる訳で、AIは雇用を奪うという巷間ささやかれている話が、現実になってくるということでもある。

客は専用のアプリや会員カードを携行しなければ入店できず、商品についているバーコードを読み取って決済しそのまま退店できる。24時間いつでも営業していることや、店員と話さなくてもいいといったことをメリットと感じる客には有難いかもしれないが、どんな商品を購入したかという個人情報は筒抜けになる(AIのビッグデータに集積される)ことを覚悟する必要がある。

AIで管理すると、どんな商品がどれだけ売れたかがリアルタイムで分かり、発注も自動的に可能になるが、しばらく店頭にあってあまり売れなかった商品はAIの判断で撤去されるといったことが起こり、余りポピュラーでない商品を買いたい客にとっては、有難くない事態になることもあるだろう。

AIは過去のビッグデータの統計解析によって店頭に並べる商品の質と量を決めるであろうから、客層が異なる地域では品ぞろえも異なってくる。但し品ぞろえを決めている最も正しいアルゴリズムがア・プリオリにあるわけではないので、適用するアルゴリズムを変えたら、売り上げも変動するに違いない。アルゴリズムの良し悪しが、売り上げによって検証されるわけだ。

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