カップヌードル味噌「販売中止」に見る地上波CMビジネスの終焉

 

いずれにしても、昔だったら「人気化して品薄」というような現象は、小売の現場も「ヒット商品が出たとして喜んだと思うのです。わざわざ「市場を枯らして火をつけるんだ」的なマーケティングもあったぐらいです。

ですが、現在の小売の現場というのはそうした条件にはなく、どうしても「人気化で品薄」ということになると、「販売中止」「販売再開のメドは立たず」という何とも残念な話になってしまうわけです。

こうなると、マス・マーケティングというものが、益々成り立たないばかりか、CFで稼ぐ地上波というビジネスモデルも相当に難しくなってくるのかもしれません。

そもそも、カップ麺という一種のイメージ商品については、今後も流行の変動が大きくなることは予想できるわけです。とすると、製造にあたって低コストを維持しながら固定費を削減するような画期的なビジネスの転換」が必要になるかもしれません。安藤百福氏だったら、一体どんなアイディアを繰り出してくるでしょうか?

image by: 日清食品 - Home | Facebook

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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