役者が違う。トランプ突然の「ちゃぶ台返し」に顔面蒼白の習近平

 

トランプの「ちゃぶ台返し」は「戦略的」

トランプさんのこの行動について、記事の筆者ビル・パウエルさんは、こう書いています。

ドナルド・トランプ米大統領は、余計なことをせずにはいられない──それが、5月5日に中国政府と世界中の人々が学んだ教訓だ。
(同上)

と書き、トランプさんのツイートが、「余計なことと非難しています。

そういえば、トランプさんは、2月にも完全に同じではないですが、似たような行動をとったことがあります。ベトナムでの米朝首脳会談です。結局、合意に至らなかった。

世界中がトランプさんを批判しましたが、RPEは大成功」と書きました。金は、「段階的非核化」を主張している。つまり、「少し非核化したら、少し制裁を解除する。そしたらまた少し非核化して、また少し制裁を解除する」。このプロセスを、「完全非核化までつづける」というもの。

これ、常識的に考えれば、「大うそ」であること。すぐわかります。少し非核化して、少し制裁を解除する。すると、中国、ロシア、韓国から大金が北朝鮮に流れ込むことになる。大金をゲットした金は、なんのために核兵器を放棄するのでしょうか?彼は、アメリカをうまくだまして核保有と経済発展の両方を手に入れた「民族の英雄」になるでしょう。

一方、トランプさんは、歴代のアメリカ大統領同様、「金にだまされたナイーブなバカ」になってしまう。幸いにもトランプは、「完全非核化その後制裁解除を譲りませんでした。結果、アメリカは困っていません。困っているのは、制裁で金がなくなり、日々貧乏になっている金です。だから、RPEは、「大成功だ」と書いたのです。

今回の対中国ちゃぶ台返し」はどうでしょうか?

中国は、「戦争は詭道なり」(=戦争=ウソをつくことだ)の国です。戦時は、ウソをつくことが「奨励」される。で、今は、戦時?平時?中国は、「政治は、血を流さない戦争。戦争は、血を流す政治」と考えている。つまり、私たちの考える「平時」「戦時」、両方とも「戦時」である。別の言葉で、「常に戦時」である。もちろん「今も戦時」である。今は戦時なので、「ウソをつくことが『奨励』される」のです。

当然、中国はアメリカをだまそうとしているに違いません。トランプの任期が終わるまで引き延ばし、次の選挙で、親中のバイデンさんを大統領にするよう工作するでしょう。金にだまされなかったトランプは、習にもだまされなかった(今のところは)のです。米中覇権戦争を戦う国の長としては、「正しいことをした」とすらいえるかもしれません。

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