しかし、副作用は容赦なく襲う
RPEでは去年のかなり早い時期から、「米中戦争で世界経済はヤバくなる」と警告してきました。実際、日本企業にも影響が及んできた。たとえば今年1月には、こんなことがありました。
1月17日、日本電産は2019年3月期の業績予想の下方修正を発表した。
「これまでの長い経営経験でも見たことがないほどの落ち込みだ」
同日の記者会見で、日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は売り上げが急減していることを明かした。
(ダイヤモンドオンライン 2019.1.18「日本電産ショックは『序章』に過ぎない、米中摩擦でリーマン級危機も」)
この局面で永守会長の脳裏には、2008年秋のリーマンショックが思い浮かんでいたという。
「当時は売上高が半分になったが、(11~12月の)売り上げは3割落ちたので、さらに落ち込むとすれば、リーマンの時と同じだと見る必要がある」。
リーマンショックで多くの企業が資金繰りに窮した時のように、今の段階でも、米中貿易摩擦の影響で、中国の一部で資金繰りに苦しむ企業も出てきたようだ。
(同上)
これで、トランプのいうような関税引き上げが行われれば、もちろん中国経済は悪化し、その後世界経済に悪影響がでてくるでしょう。日本も、逃れることはできません。そう、トランプの「ちゃぶ台返し」には二つの側面がある。
- アメリカの安保、覇権争奪戦の観点からすると、中国にだまされないのは、正しい判断
- しかし、その結果、世界経済は悪化する
去年から書きつづけてきたことが、いよいよ現実化する方向になってきました。