思えば大人は未経験のことや未知のものを避ける傾向にあるような気がする。それはおそらく恥をかきたくないからである。そして、それを苦役と知るからである。企図せずそういった状況に置かれた時もなるべく早く慣れようとする。あるいは慣れた振りをする。そうすることで、情動を平板化し自分の心の平穏を守っているのである。大人時間が速く経過するのは自ら子供的「ワクワクドキドキ」を放棄しているからなのである。
だからと言って大人が毎日のように初めてを体験し、恥に恥を重ねるようでは仕事にならない。この馴化によってもたらされる心の平穏は残念ながら社会に適用するための第一条件とも言えるものなのである。
そう考えると、子供が大人よりエネルギッシュなのも納得できる。ワクワクドキドキに立ち向かわなければならないからだ。そして子供が大人よりよく眠るのも納得できる。ワクワクドキドキは疲れるからだ。
こんな気持ちで改めて子供の寝顔を見てみると、今までとはどこか違った愛おしさのようなものを感じるのではないだろうか。
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