大人になると時間が過ぎるのが速く、子供の時間は長くて遅い理由

 

思えば大人は未経験のことや未知のものを避ける傾向にあるような気がする。それはおそらく恥をかきたくないからである。そして、それを苦役と知るからである。企図せずそういった状況に置かれた時もなるべく早く慣れようとする。あるいは慣れた振りをする。そうすることで、情動を平板化し自分の心の平穏を守っているのである。大人時間が速く経過するのは自ら子供的「ワクワクドキドキ」を放棄しているからなのである。

だからと言って大人が毎日のように初めてを体験し、恥に恥を重ねるようでは仕事にならない。この馴化によってもたらされる心の平穏は残念ながら社会に適用するための第一条件とも言えるものなのである。

そう考えると、子供が大人よりエネルギッシュなのも納得できる。ワクワクドキドキに立ち向かわなければならないからだ。そして子供が大人よりよく眠るのも納得できる。ワクワクドキドキは疲れるからだ。
こんな気持ちで改めて子供の寝顔を見てみると、今までとはどこか違った愛おしさのようなものを感じるのではないだろうか。

image by: iyd39, Shutterstock.com

山崎勝義この著者の記事一覧

ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 8人ばなし 』

【著者】 山崎勝義 【月額】 ¥220/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 大人になると時間が過ぎるのが速く、子供の時間は長くて遅い理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け