元農水次官、川崎殺傷で浮き彫りになった「8050問題」という闇

 

つまるところ、“日本株式会社”が求めるのは「自分たちの要求にノーと言わない」社員であり、24時間365日バリバリ元気で丈夫に働ける社員です。どんなに能力やスキルが高くても、体を壊したり家族に変化があった途端、戦力外にさせられるのです。

マッチョな働き方を基準にする限り“脱落者”は量産され、その“脱落者”に社会が注ぐ冷ややかなまなざしが、再び一歩前に踏み出そうとする力を奪います。

社会の懐の狭さと冷たさが社会的に孤立する親子を量産させている。そういっても過言ではありません。

奇しくも数ヶ月前、「中高年ひきこもり61万人」という内閣府の調査結果が話題になりました。

61万人という数字の推計結果にはさまざまな異論もあります。

ただ、人手不足といいながら、「働き盛り」がひきこもっていることの経済的損失は計り知れません。

私は今回の話題の引き金になった二つの事件で、「働いて賃金を得る」という行為が人が生きるためにも、社会に居場所を得るためにも、社会との接点を持つためにも、とても大切な行為であると痛感しました。

パソコンを利用した仕事など、自宅でもできる仕事を国が率先して発注する。非正規雇用の賃金を正社員以上にする。

そういった手立ても8050問題解決策の糸口になるのではないでしょうか。

みなさまのご意見をお聞かせください。

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  • 「無差別殺傷事犯に関する研究」より/オレにも言わせろ! ほか(5/29)
  • 「認知症」差別への懸念/「他人の足をひっぱる男たち」(25) ほか(5/22)
  • 「終身雇用=悪」とする三流経営/「他人の足をひっぱる男たち」(24) ほか(5/15)
  • 「働く女性5割」に潜む根強い女性差別/「他人の足をひっぱる男たち」(23) ほか(5/8)

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※『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』(2019年6月12日号)より一部抜粋

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