会社教の終焉。一億総「テレワーク事業主」に向かう令和ニッポン

 

近未来、日本人は会社に行かなくなる

考えてみると、「パソコンがあれば会社の仕事自宅でもできます」という方は、たくさんいるのではないでしょうか?もちろん、「全員」とはいいません。肉体がその場にいなければできない仕事も、たくさんあるでしょう。でも、「ほとんどはパソコン仕事なので、会社に行かなくてもできますという人は多いでしょう。それなのに、その人は今、毎日往復2時間かけて会社に通っている。これって、メチャクチャ不合理】ですね。

まず、2時間って結構大きくないですか?その時間、寝ることもできる。子供を幼稚園に送ることもできる。料理をすることもできる。食料品を買いに行くこともできる。会社側から見ると、交通費もバカにならないでしょう。それに、社員が家で仕事をする割合が増えれば、バカでかいオフィスは必要なくなる。ここでも経費を削減できますね。

というわけで、あらゆる観点から、「自宅でも会社と同じ仕事ができる社員」が毎日会社に通うのは【不合理】です。だから、「こういうバカげたことは止めようよね」となることでしょう。令和10年ぐらいになると、「出勤は週1という人が3~4割になると思います

これは、もちろんいいことですが、「ついていけない人も出てくることでしょう。どういうこと?

自己管理ができない人は?

この話を聞いて、社長さんの読者さんは、「うちの会社じゃ絶対無理!」と思われたかもしれません。「出社しなけりゃ従業員はサボる…」と。

確かにそういう人も多いことでしょう。

「小人閑居して不善をなす」といいます。意味は、「凡人が暇だと、ろくなことをしない」と。要は、出社しなくてもいい人の条件は、「自己管理できているか」ということ。

自宅にいても会社にいるのと同様にサボらずやれるか

だから、入社から半年ぐらい出社してもらい、自己管理がてきていそうなら、「出社しなくてもいいよ」となるかもしれません。

リストラはなくならない

最近、トヨタの社長さんが、こんな発言をされました。

トヨタ自動車の豊田章男社長の終身雇用に関する発言が話題を呼んでいる。13日の日本自動車工業会の会長会見で「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べた。
(日経ビジネス 2019年5月14日)

トヨタでも、「終身雇用の維持は難しいそうです。ほとんどの企業では、もうとっくに終身雇用なくなっていますね。残念ですが1990年以前のように、「終身雇用が普通」とはならないようです。

もう一つ。みずほFGは副業を解禁するそうです。みずほFGの酒井社長は、

坂井:みずほFG社員の副業を含めた兼業を今年度から解禁したいと考えています。社内における競争原理で考えるのではなく、70歳、80歳まで自己実現していくためのスキルをみずほで身につけてほしい。
(日経ビジネス 2019年6月4日)

副業を認める。その理由は、「70歳80歳まで自己実現していくためのスキルをみずほで身につけてほしい」だそうです。しかし、次の質問で、社長の本音」がわかります。

なぜ副業を認めるのですか?

 

坂井:働くことに対する一人ひとりの意識がものすごく変わっているからです。昔は定年まで勤めあげて、年金で暮らすという生活が普通でした。今は、(年金など)社会保障に対する不安もあり、平均寿命も長くなっている。そうした中、終身雇用を前提にした人事制度には限界があります。

「終身雇用を前提にした人事制度には限界があります」だそうです。思うのですが、銀行業はAIを活用する余地がたくさんありそうです。それで、「終身雇用を前提にした人事制度には限界があります」ということなのでは?

「副業してもいいよ」というのは、要するに「私たちは、君の人生に責任持てないから、将来首にするかもしれない。これからは、【自己責任で生きて行ってくれよ!」ということなのでしょう。

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