留学先のモスクワで気づいた「共産主義」では国が繁栄できぬ理由

 

自由が繁栄をもたらす

不自由な国でも成長することはあります。スターリン時代のソ連、1980年からの中国も大発展しました。しかし、それは「ワンマン社長の下で急成長した企業」と一緒ですね。長続きはしません。

自由な国でも「国家ライフサイクル」はあります。ライフサイクルで成長期なら、不自由でも成長する。しかし、成熟期になったら、国があ~だこ~だいわずに、「法律だけ守って後は好きにしてくれ!」という方がいいのでしょう。

アメリカは、成熟期に入ってからも、80年代のレーガノミクス90年代のIT革命で大発展しました。08年からの「100年に一度の大不況」時には、200兆円の財政赤字を出しながら、ケインズ的手法で乗り切った(つまり、自由も全能ではない。不況時はケインズも有効)。

そして2010年からプラス成長に入り、今にいたるまで9年間成長をつづけています。世界に変革を起こしているという「GAFA」(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)も全部アメリカの企業ですね。

自由には確かに副作用がともないます。自由にさせたら、勝ち組、負け組の格差がドンドンひろがっていく。現在では、「世界の超富豪8人の資産と、貧しい36億人の資産が同じ」という現実。これは、大問題でしょう。

それでも、国を発展させようと思えば、「自由を主 平等を従」で行く必要があるでしょう。自由にさせてドンドン金を稼いでもらわないと、貧しい人を救済する原資もなくなってしまいます。このこと(自由>平等)、故渡部昇一先生が、常々おっしゃっていました。

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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