留学先のモスクワで気づいた「共産主義」では国が繁栄できぬ理由

 

ある程度の規制は必要だが…

そうはいっても、「なんでも自由にさせればいい」というわけではないでしょう。人間には、残念ながら「ダークサイド」もある。たとえば、匿名OKの掲示板に入ってみてください。そこでは、「匿名で正体がばれないから『本音』が書ける」。自由で規制がなければものすごいことになりますね。

企業だってそうです。なんの規制なく完全自由にさせておいたら、「1日の労働時間は16時間」とか「時給400円」とか、現れそうです。

だから、ある程度の規制は必要。それでも、「基本自由」であることが発展の絶対条件なのでしょう。

自由は、幸福の条件

今日、親野智可等(おやのちから)先生の子育てメルマガ『親力で決まる子供の将来」を読んでいたら、以下のような記述がありました。

神戸大学の西村和雄特命教授と同志社大学の八木匡教授の研究では、「人間の幸福感に強い影響を与えるのは、所得や学歴ではなく、『自己決定』の度合いだ」ということが明らかになりました。その研究によると、学歴によってもたらされる幸福感は非常に小さいことがわかりました。たしかに、世帯年収額の要素もけっこう大きいのですが、一番大きいのは自己決定の度合いだということです。

 

この研究で自己決定の度合いを数値化するにあたっては、「中学から高校への進学」「高校から大学への進学」「初めての就職」について、自分の意思で進学する大学や就職する企業を決めたか否かを尋ねたそうです。要するに、自分の進路や生き方を自分で決めてきた人たちは幸せを感じているのです。

これ、「ホントにそうだ」と思いました。私は、高校に行くときも、大学に行くときも、ソ連に留学するときも、結婚するときも、全部自分で決めました。そのことで、両親には非常に感謝しています。

一方、生きている中で、「親が決めた人生を歩まされている人たち」にも会いました。ある人のお父さんは、「ハーバードに入らないやつは、人間ではない」と常々いっていたそうです(そのお父さんは、ハーバードを出ていないので、人間ではない)。その人は、モスクワの超一流大学を出たものの、ハーバードには入れませんでした。それで非常に不幸で、自殺未遂を繰り返していました。

また、ある人は、父親が医者なので、「おまえも医者になれ!」といわれて育ちました。しかし彼は、医者になりたくなかったのです。そして不器用でもありました。結局、何年も浪人した後、医者になりました。ですが、「自分で決めた人生」ではないので、幸せではないそうです。

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