選挙前のイヤラシさ。密室でスマホ「解除料1000円」を決めた姑息

shutterstock_1392734168
 

総務省が11日の会合で、いわゆる「2年縛り」の中途解約違約金の上限を1,000円と示したものの、その金額に有識者が異を唱えたことが話題となっています。そんな有識者たちの姿勢を支持するのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。石川さんはメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』にその理由を明示するとともに、結論を急ぐ総務省に対する厳しい批判を記しています。

総務省がアンケートをもとに「解除料1,000円」を密室で議論――果たして、6月18日開催の「最終回」でどんな結論に落ち着くのか

6月11日、総務省はモバイル市場の競争環境に関する研究会(第14回)/消費者保護ルールの検証に関するWG(第12回)合同会合を開催した。しかし、これまですべて公開で行われていたにもかかわらず、今回は非公開」。しかも、今回は解除料の金額を決める大事な会合であったにもかかわらず、総務省は密室で議論を進めるという姑息な手段を使ってきた。

6月8日には、一部報道機関が「解除料は上限1,000円という総務省からのリークを伝え、一般紙やテレビが後追い。もはや、上限1,000円は既成事実と化した。

しかし、その「上限1,000円」という根拠が実に頼りない。総務省では、一般にアンケートを取り、「解除料が1,000円であれば他社に乗り換える」という結果を得た上で、有識者にお伺いを立てた。

だが、今回ばかりは有識者もちゃんと有識があったようで総務省からの提示を突っぱねた模様だ。確かに、アンケートをとって、そのとおりの金額で省令が改正されるようでは、そもそも行政機関の存在意義などないのではないか。

アンケートで解除料の金額を自在に変えられるのであれば、ぜひとも総務省は各キャリアに対して「電波利用料はいくらならいいか」というアンケートを取ってもらいたい。それで限りなく無料に近い金額が回答されたとき、総務省は何も言えなくなるのではないか。

ユーザーの立場からすれば、もちろん解除料は無料に近いほうが望ましい。今回の問題は、議論にまともな時間を費やすことなく、姑息な手段で、非公開の議論で世間を欺き、早急に金額を下げようとしたことが卑怯であるということだ。

print
いま読まれてます

  • 選挙前のイヤラシさ。密室でスマホ「解除料1000円」を決めた姑息
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け