ケータイ「解除料1000円」をゴリ押し。総務省が挙げた呆れた論拠

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スマホの途中解約にかかる違約金を1000円以下とするなど、大筋で固まった今秋導入の携帯電話利用料に関する新ルール。これでキャリア間での価格競争が進むと菅官房長官や総務省は胸を張りますが、「現実はそんなに甘くないのでは」と話すのはケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。その根拠を、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』にて紹介しています。

アンケート結果をゴリ押しする総務省にコケにされた有識者たち━━ちなみにアンケートでは5割超が「乗り換えたいと思わない」

6月18日に行われた総務省の有識者会議。この場で「解除料1000円」「端末割引2万円」がほぼ決定的になった。

5月中までは総務省から「解除料4~5000円」でキャリアに打診があったようだが、菅官房長官からのゴリ押しによって、1000円に引き下げられた。

とはいえ、有識者会議で「解除料1000円は菅官房長官の意向」とは口が裂けても言えない。そこで、急遽行われたのがウェブアンケート「携帯電話の期間拘束契約に関する利用者の意識調査」だ。

アンケートを元に「ユーザーの8割以上が解除料1000円を求めている」としたが、この中身がかなり酷い

6000人がアンケートに答えているのだが、そもそも「キャリアを乗り換えたいと思わない」という人が3153人、52.6%も存在する。一方で「乗り換えたい」という人は592人、9.9%しかしない。乗り換えたいと思わない人が過半数もいて、一方で乗り換えたい人が1割しかいないにも関わらず、なぜ、ここまで、現場が大混乱にもなるようなことをしなくてはいけないのか。

しかも、「乗り換えたい」「乗り換えを検討してもいい」という回答した2847人のうち、1089人は「違約金なしで解約できる期間がくるまで待つ」としている。

「違約金を払っても解約する人の許容金額」を調べたところ、「8割以上が1000円程度」と導き出されたから「解除料1000円」というロジックなのだ。そりゃ、安ければ安い方がいいに決まっている。

菅官房長官としては「解除料が安ければ、キャリアの乗り換えが進み、競争が促進され、料金が引き下がる」と夢見ているのだろうが、現実はそんなに甘くないのではないか。

一昔前を振り返れば「解除料負担します。キャッシュバック○万円」でも乗り換えなかった人がいたわけで、総務省の施策は時すでに遅しなのではないか。

キャリア関係者も「いま、契約している料金プランすら見直さない人が圧倒的なのに、わざわざ乗り換えする人がいるかは疑問」と首をかしげる。実際のところ、分離プランが導入されたことで、3社ともほぼ横並びの料金体系になっている。

10月には第4のキャリアとして楽天が参入する。楽天には是非とも世間をあっと言わせる料金プランを出して欲しいところだが、逆に楽天への期待値が上がりすぎているのが心配だ。

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