効果的なクロージングトークを用いてスムーズに販売を完了できれば接客としては理想的ですが、現実はそう上手くいかないものです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、殺し文句を前もって準備するのではなく、お客様の「ニーズ」に接客終盤に呼応する、最強のクロージングトーク術をレクチャーしてくださっています。
最強のクロージングワード
今回は、どんな販売員にもぜひともやっていただきたいクロージングについて。
接客の終盤になって、お客様に購買を促そうとする時、クロージングは行われます。そんな折、販売員はいろんな「クロージングワード」を使いますよね。いわゆる“殺し文句”などとも呼ばれるようなワードのことです。
「こちらの商品なら、お客様にぴったりですよ!」なんて、口でいくら言っていても、必ずしもお客様の心に響くわけではありません。
以前から、「良いクロージングワードは?」というご質問をいただいても、私が「そんなに都合の良い言葉はないですよ」と再三にわたってお伝えしてきている通り、クロージングにおいては、誰にでも買ってもらえる“殺し文句”などは存在しないのです。
ただ、そうは言っておきながらも1つだけ、どんなお客様にも使えるクロージングワードが実は存在しています。
それは、お客様の言葉を使うクロージングワードのことです。
これだけは、どんな販売員でも使える、最強のクロージングワードだと、私は考えています。どういうことかというと、例えば洋服の接客で、こんな会話があったとします。
お客様 「冷房で冷えるから、羽織物が欲しいんですよね」
販売員 「それでしたら、シワになりにくいカーディガンがオススメですよ。これなら、外を歩くときはバッグにしまっておいても、シワがつかないので安心です」
お客様 「う~ん、どうしようかなぁ。買おうかどうか迷いますね」
販売員 「無理にオススメはしませんが、先ほど冷房で冷えるとおっしゃっていましたよね。これからの時期は、雨で濡れて冷房に当たることも少なくないので、今のうちからお持ちになっていると良いかもしれませんよ」
こんなような流れでしょうか。この流れで言うと、「冷房で冷える」というお客様の言葉を、そのままクロージングに使っています。これは、「冷房で冷えるから、羽織るものが欲しい」、つまり、お客様のニーズをクロージングに盛り込んでいるわけです。
こうすると、お客様としては、改めてニーズを思い出すことになり、より必要性を感じるので、「やっぱり買っておこうかな」と自分自身を納得させる理由ができます。クロージングに必要なのは、この納得感でして、納得感をお客様に感じてもらうことは、常に考えおかないといけないのです。
そういう点でも、お客様の言葉を使うクロージングは、個人的には最強のクロージングワードではないかと考えています。
今回は、クロージングで使うワードについて考えてみました。次回もどうぞお楽しみに!
今日の質問です。
- あなたが商品を買う時に、納得感を感じるのはどんな時ですか?
- その納得感をクロージングワードで感じるにはどんなクロージングワードが必要ですか?
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