社員たちがいつまでも「いい商品を作ろう」と思える職場の作り方

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企業の経営者や現場責任者は常に業績達成責任に追われ、ともすれば短期的視点に陥りがちです。今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』では著者で食品安全のプロである川岸博和さんが、商品の品質・地域の環境・従業員の安全を維持・向上させるためにも「方針」が最も大切と力説し、従業員に対し徹底的に伝えていくべきと提唱しています。

責任者が説明すること

組織の責任者は、社員に対し、自分の考えを明確に伝えなければなりません。どんな大きな組織でも、年に数回は責任者自らの言葉を自らの口で伝える事が必要なのです。自分で作り上げた組織であれば自分の考えを伝えること、歴史のある企業であれば、会社の方針、社是についてその時代の責任者から社員に伝える必要があるのです。みなさんが働いている会社は、今どんな会社で今度どんな会社になろうとしているのかを明確に伝える必要があるのです。

一番大切な点は、責任者自らが自分の口で次の事を伝える事です。「責任者である私の行動を含めて、会社の方針、皆さんがいままでの人生で培って来た倫理観と反する事が社内で有った場合は、私に伝えてください。もし、私が聞く耳を持っていなかった場合はこの連絡先に伝えてください。是非、みなさん自分自身の会社だと思って行動をしてください」と伝える事が大切なのです。

「いい商品を作ろう」と思って入社してきた従業員に対して方針の教育をしっかり行うことが大切なのです。

方針の重要性

食品工場における「方針」の設定に際しては、

  1. 最終商品の品質に関すること
  2. 地域・地元の環境に関すること
  3. 工場で働く人の安全に関すること

の3点を含んでいることが必要です。食品工場において、「方針よりも優先されるものはありません。方針の策定にあたっては、株主、オーナーなどの了解を得る必要があります。

オーナーの中には食品工場を投資の一部と考え、品質よりも投資に対するリターンを優先し30年後の工場の存続を考えていない場合があります。「今が良ければいい」、この考え方も方針ですので、方針を考える時に良く話し合う事が必要です。

経営者や工場長といった責任者は方針を明確に掲げてそれを自分の言葉で表現することが大切です。朝礼等で唱和し言い続けることで、少しずつ現場に浸透して行くものです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

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