日本はクールに満ちている。訪日客を熱狂させる盆栽から学べる事

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今やすっかり日常語化した観のある「爆買い」ですが、その対象商品は年々変化してきています。繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんによると、最近熱い盛り上がりを見せているのが、「盆栽」。佐藤さんは自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で、そんな盆栽人気の現状を紹介するとともに、まだまだ外国人に知られていない日本の伝統や文化を掘り起こし続ければ、この国の経済を立て直すことも可能ではないかとしています。

訪日外国人は、「盆栽」も爆買い!?

年間3,000万人を超える訪日外国人。彼らの目的は、時に“日本”を買い、時に“日本”を体験することにあります。

中国人の爆買いはやや落ち着いてきており購入するものに変化が見られます。以前は炊飯器が目立っていましたが、それが美容家電やドライヤーになり、お菓子や化粧品・医薬品へと移り変わっていきました。

対して欧米人は、観光や体験を重視します。変わらぬ人気は、神社・仏閣ですが、
地方の“日本らしい田舎”や“昭和な下町”にも興味を持ち始めています。観光地ではない、海や山の民宿に泊まったり、レトロな町家を楽しんだりしています。

そんな訪日外国人が次に注目しているのは、「盆栽」です。大自然を小さな鉢の中に表現することに魅了されるようです。では、なぜ「盆栽」が知られるようになったのでしょうか。

キッカケは、1900年のパリ万博」。日本は「盆栽」を世界に紹介したのです。これによって、その存在を知られることにはなりましたが、注目されるまでには至らなかったのです。しかし、1970年の大阪万博が転機となります。日本庭園に展示されていた「盆栽」を見て、興味を持つ人が急激に増えたのです。

そこから徐々にではありますが、ヨーロッパで「盆栽」が広まっていったのです。イタリア・フランスなどでは専門誌も発行され、「盆栽」を販売する専門店も誕生しています。フラワーショップやインテリアショップでも買うことができます。文化として定着しつつあると言っても良いでしょう。

そして、現在の日本ブームの中で、一大ムーブメントと言っても良いほど、再注目されているのです。日本各地の盆栽展示場は、訪日外国人で一杯です。あるお店では、お客さまの7~8割が外国人で年間1万人にも上ると言います。

そこで爆買いが起こっているのです。中国人はもとより、欧米人も買い漁っています。数百円のものから数千万円のものまであり、1人で数千万円分を買う人もいます。日本にも当然盆栽ファンはいるものの、どちらかと言えば地味な世界でした。しかし、ここに来て大ブームが起こっているのです。輸出額も激増しています。盆栽づくりに弟子入りする外国人も増えています

日本人の私でさえ、あまりピンと来ない「盆栽」の魅力ですが、何が外国人を魅了するのでしょうか。日本の伝統・文化に興味を示す外国人は、どこまで増えるのでしょうか。

日本には、まだまだ知られていない伝統・文化があります。それをひとつひとつ掘り起こしていけば、日本ブームはこれからも続くことでしょう。“眠れる日本を目覚めさせることで経済を立て直すことができるかもしれません

このチャンスを逃すべきではありません。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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