シニア世代にこそ古武道、小唄、着物など日本の伝統を勧める訳

 

3.伝統的な芸術に触れよう

落語には、しばしば常磐津のお師匠さんが登場する。熊さんや八っつあんも下心丸出しで稽古に行ったりしている。昔は、遊びと言えば歌舞音曲。遊廓や料亭でも芸妓の歌、三味線、踊りを鑑賞する。もちろん、そこで自分も心得があるってことになれば、話も弾むし、モテる

自分の商売以外に芸事を習うというのは良いもので、現在でも余裕のある社長さんは小唄を習ったりしている。社長になると、自分を叱ってくれる人もいなくなる。芸事を習うというのは、お師匠さんから叱ってもらう楽しさかもしれない。

日本の芸事にはゴールがない。お師匠さんと呼ばれる人達は6歳頃から芸事を始めているので、還暦過ぎてから始めても追いつけないし、芸を究められるわけもない。習うのは、長唄、常磐津、清元、小唄、新内など何でも良い。歌だけを習うこともできるし、歌と三味線を習うこともできる。

自分が芸事を始めると、プロの演奏が気になる。そこで、歌舞伎座や国立劇場に行くことになる。邦楽は洋楽とは全く異なる音楽だ。リズムも違うし、メロディも違う。三味線の音も西欧の楽器にはない倍音を重視している。

邦楽を習う時に面倒なのが、流派や家元制度だ。月謝の他に何かと費用も掛かる。そういう場合は、カルチャーセンターに通うのが良いだろう。少しかじってみて、本気でやりたければ、正式な弟子になればいい。まずは、体験だ。

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