全ての教師が「自己分析」や「他者理解」が得意でない当然の理由

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「どんな時にストレスを感じるか、逆に感じないか」といったストレス耐性やモチベーション特性などを事前把握できる調査方法が、一部のスポーツチームで導入され始めているようです。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では現役教師の松尾英明さんが、同手法を教育現場にも導入した場合、個々の生徒の特性把握や、指導のアプローチの仕方などに有効かもしれないとの肯定的な意見を記しています。

モチベーション特性とストレス特性

企業の方への研究協力ということで、面白い調査を受けさせてもらった。「ビノレポ」といって、自分がどんなことにストレスを感じやすく逆に耐性があるかといったことがわかる、アセスメントの一種である。現に早稲田大学のラグビー部等で活用されていて、成果を挙げているという。他にもモチベーション特性やどんな資質に優れているかといった様々なことがわかる。それを用いて自己理解をするだけでなくチーム内で開示し違いを知ることでチームワークの向上に貢献するというものである。

例えば私の調査結果から、モチベーション特性を見ると、「自分がチームに貢献している」「自由にやれる」と感じられる時、最もやる気がアップする。一方で「決めてくれる人に従う」「勝つことでほめられる」といったことには、やる気が下がる傾向にあるらしい。

これを知るだけでも役立つ。つまり、このような人に対する場合、一生懸命ほめても意味がない。細かい指示もやる気ダウンにつながる。逆に、多少丸投げであっても、任せることでやる気を出し放っておけば勝手に自己満足してくれるタイプである(ある意味、手のかからない奴である)。

この真逆の特性の人もいる。そのタイプの人には、真逆のアプローチが効く。細かい指示を出して一つ一つの成果に感謝を伝える。丸投げしたり、声かけせずに放っておいたりすると、やる気がなくなっていくので要注意である。

つまり、個人の特性の相互理解ということがものすごく重要である。ある人には最高のアプローチが、ある人には最低のアプローチになり得る。これは職場間、子どもと親、子どもと教師、夫婦間など、あらゆることに適用できる。

よく男女の意識のすれ違いで「もっと褒めてほしい」「いちいち言葉で伝える必要はない」という例があるが、これも実は個人のモチベーション特性の違いである。相手の特性を理解していれば、「そういうもの」とわかるし、互いの接し方も変わる。「自己理解他者理解」の両方が重要である。

ストレス特性についても面白い。例えば私は「前例がないことへの挑戦」には全くストレスを感じないという。一方で「マニュアル通りに進める」「周囲との衝突を避ける」「人からの指示を受ける」ということへのストレスに滅法弱いという(面白いぐらいに当たっている)。

このストレス特性の面白いところは強みは他者と接する時の注意点」になるということである。自分がそこへさっぱりストレスを感じないため、相手に対しても鈍感になりやすいポイントである。つまり、私と同学年を組む人は「挑戦」に日常的に付き合わされることになり、大変な目に遭うということである。同タイプの人以外には、大変申し訳ないことである。

例えば「思慮深さが求められる」というストレス項目に対して強い人は、細かな配慮が「普通」のことである。一方で、他者を見た時に「何でこれぐらいの配慮を普通にできないの??」ともなりがちという(多分、私なぞはこのタイプの人にそう思われている)。自己理解をしておくことで他者との関係も円滑になるということである。

これをどう学校現場に活用するかは、まだ模索中の段階である。しかしながら、こういう視点をもつことで、子どもに対しても接し方を個別に変える必要があるとわかり、大変学びがあった。また進捗があったら、お伝えしたいと思う次第である。

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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