NYから憧れのネス湖でネッシーを探しに出かけた邦人社長旅行記

 

これ渡米した20年前からずーっと思ってました。で、この20年間、ずーっと出され続けてきました。この20年間、アメリカの飛行機会社は、ずーっと出し続けています。そして、この先も、ずーっっと出し続けるでしょう。否応無く、投げるように、CAさんに、目の前のテーブルに置かれると、「またか」と最近では、笑いが出てしまいます。もう、ただの、木の枝じゃん。木の枝、食ったことないけど、絶対、この味するよ。食感、匂い、舌触り、味覚、どれをとっても、超一流にマズイ。いや、マズくもない。マズイまでいかない。だって、木の枝だもの。(©森永の「小枝」は世界一ウマいけど)

たぶん、航空会社も意地になっているのだと思います。「あたしたちは、この無味無臭の木の枝味のまっずいスナックをこれからも、この先も、ずっっとサーブし続けます!なぜなら、それこそが、これこそが、アメリカのソウルフードだから!絶対に、美味しいスナックはサーブしないことを誓います!」って決意してるに違いない。

会議で議題に上らないのかな?航空会社の会議室、丸テーブルで、誰か勇気ある役員が、会長に手を上げて「あの…、このプレッツエルなのですが、失礼ながら、乗客が罰ゲームと思ってしまうのではないかと…」と言わないのか。「このままでは、欧米人の舌がバカなことが、世界中にバレてしまうおそれがあるのではと…」。

いや、絶対、勇気ある役員は今までだっていたに違いない。でも、翌週には解雇される。社内では陰でヒソヒソ話題になってます。「ピーターさん、クビ切られたの?」「それがさ、会議で会長に、プレッツエル批判したらしいよ」「あっちゃー、、ソウルフードのプレッツエルを批判したら、そりゃあ、この会社にはいられないよね」とか。そうとしか思えない。

実は、マジで、1回、当のアメリカ人に真顔で聞いてみたいと思ってました。まず、このプレッツエルを、食べてもらって。で、その直後にこれ…本当の、本当の、本当に…美味しいと思ってるか?と。

よく喋ってくる隣の老夫婦に、この際聞いてみよう。アメリカ人じゃないけど、味覚に関しては、それ以下のイギリス人だ。(怒られるぞ、オレw)美味しそうに食べている、おばあちゃんに勇気を出して、聞いてみました。「よかったら、これ、僕のも、どうぞ…」のあと、勇気を出して、あの…、これって、テイスティではないですよね。決して美味しくはないですよね。でも……お好きですか?

キョトンとしておばあちゃん、「…美味しいじゃない!おちつくのよ。バーベキューソースのフレイバーのチップスとか、サワークリーム味のドリトスは飽きがくるけど、これは飽きがこないじゃない?」と。確かに。無印良品的なスタンダードの味なのでしょう。美味くもないけど、飽きがこない(日本人の僕は人生一回目で飽きがきたけど)。でも、それこそも、「お国柄」なんだと思います。その国のカルチャーだ。

確かに、昔、有名格闘家のオランダ人、アリスター・オーフレームにインタビューした際、「日本のライスって味ないよな?なんで、みんな我慢して食べてるんだ」と真顔で聞かれたことがりました。新米だろうが、コシヒカリだろうが、ササニシキだろうが、彼らにとってはインパクトがガツンとこない無味無臭の穀物に感じるのだと思います。

確かに、世界中のライスには、味がついています。サフランライスも然り。韓国の白ごはんだって、味は日本同様、特にありませんが、何か別の具を入れていることが日本よりも多い気がします。アリスターにそう言われた時の僕も「美味しいし、美味しい、美味しくないの前に、飽きがこないだろ」と口には出さずとも思った記憶があります。今回のスコットランドのおばあちゃんと同じだ。

ITOEN(伊藤園)が北米でペットボトルのお茶を販売した頃、アメリカ人のおばちゃんが、レジの店員に「甘くないのに、この値段なの!?」とクレームを言ってるのを見たことがあります。他の国の食文化に文句を言う資格はない、ということですね。反省。(それにしても、その上で、それを加味した上で、機内スナックのプレッツエルは改善を強く要求したいけど)

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