「ご連絡させていただきます」という言い回し、仕事などでよく使わないでしょうか。しかしこの「(お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は、飾りのように見えてきちんとしたルールがあるのだそうです。今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン』では、間違った使い方をしがちな「ご連絡」の作法を解説しています。
「ご連絡」の使い方
■質問
仕事のメールでよく使う「連絡」についてですが、こちらから連絡する場合、「ご連絡」の使い方はどうすればいいのでしょうか?例えば、
- ~ご連絡させていただきます。
or
- ~連絡させていただきます。
丁寧に言うのであれば、「ご連絡」の方がいいように思ったり、自分自身のことだから、「ご」を付けないで「連絡」の方がいいのか、考えれば考えるほど分からなくなってしまいました。 (読者・EM太郎さん)
■回答
確かに、迷うところです。私も、時折、どう書いてよいか分からないことがあります。
この場合、「連絡」の前に「ご」をつけるかつけないかというよりも、「させていただきます」の使い方に着目してみましょう。本来、「させていただきます」は相手を立て、許しを得ておよぶ行為に使われていた表現といえます。
自分の行為(つまり、相手に「連絡する」)を失礼のないよう表現するのであれば、「ご連絡いたします」と書き換えると、文章としてすっきりするのではないでしょうか。
メールに使う文例としては
- 後ほどこちらからご連絡いたします。
- 資料を拝見してから、ご連絡申しあげます。
という書き方があります。
※「~せていただく」については、平成19年2月2日の文化審議会答申の「敬語の指針」では『「させていただく」の使い方の問題』として次のように解説されています。
「(お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は、基本的には、自分側が行うことを、
ア)相手側または第三者の許可を受けて行い
イ)そのことで恩恵を受ける
という事実や気持ちのある場合に使われる。
したがって、ア)、イ)の条件をどの程度満たすかによって「発表させていただく」など「…(さ)せていただく」を用いた表現には、適切な場合と、あまり適切だとは言えない場合とがある。
この指針にのっとると、上記の「ご連絡させていただきます」は、ア)とイ)の条件に該当しない表現と思われます。
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