憧れのネス湖でNY在住日本人社長が出会ったモンスターは「人間」

 

対岸に船は到着。朽ち果てたアーカート城が建つ草むらに、寝っ転がる。せっかくのネス湖なのに、ついついうとうとしてしまう。なにか説明がつなかい幸福感に包まれました。1時間はあっという間に過ぎ、迎えに来たクルーズに乗り込みました。

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クルーズを降りて、予約していたコテージに向かいます。ホテルの横の高台にあるロッジに入ると、豪華なインテリアを施した普通の家。受付らしきものは見当たらない。「えくすきゅーずみー…」と遠慮がちに進むと、隣の部屋にデスクが置いてあり、そこで作業している私服のおばさんがいました。目のつり上がった老婦人は、レンズのつり上がった老眼鏡をとり、「WHAT!」と不審者を見るように声を突き刺してきます。

「あ…ごめんなさい。隣のコテージの受付がここだとおもって」と慌てて、引き返そうとすると「……受付よ」と背中に返事。「え…」どっからどう見ても、オレ、旅行者だろ。ふつうは「いらっしゃいませ」だろ

予約サイトに書かれた「湖が窓から見える唯一の宿泊施設」という売り文句に惹かれ、安くはない家族連れ用のコテージを予約してきたのに、そんな嫌な対応しなくても(笑)。しかも、現地に来てわかったけど「湖が窓から見える唯一の宿泊施設」ではないよね。隣のホテルの方が窓もデカイし、より湖面に近い位置だったよね(笑)

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「丘を2個超えたところがあなたのコテージよ」と大きな古い鍵を渡され、またさっきまでいたところに戻ります。普通に一軒家。裏に周り、入り口までくると、壁にムカデとでっかいクモが張り付いていた。山を切り崩してその隣に建てているから仕方ない。爬虫類以外は割と平気なので、中に入ります。見たこともないデッカい4匹の蛾にお出迎えされます。爬虫類以外は割と平気なので、そのまま寝室に入ります。

シャワーを浴びようと蛇口をひねるとまっ茶色の水が。爬虫類以外は割と平気なので、今日はシャワーは諦めます。エアコンはどうやらないみたいだけれど、爬虫類以外は割と平気なので諦めます。スマフォをワイファイに繋げようとすると、WiFiがどうやら飛んでないみたい。さすがに爬虫類とは関係なく、諦めきれず、さっきのロッジの受付に、また丘をふたつ超え、戻ります。目のつり上がったおばあさんが、また初対面のごとく「WHAT!」と甲高い声を上げるけれど、知ったこっちゃない。

WiFiつながらないんだけど、という僕に、そんなのないわ、とおばあさん。でも、予約サイトにはWiFi完備と書いてあったけど、と食い下がると、「ここ(のロッジ)は通じてるわよ」。ロッジの受付から僕のコテージまで丘ふたつ。ずっとここにいるわけにはいかない。でも、もう何を言っても今からWiFiが飛んでくるわけでもなく、諦めることに。

また丘をふたつ超え、自分のコテージに。ベッドの上で、蛾が寝てた。たまらず、隣のホテルに駆け込みます。「空き部屋あり」と看板に出ていたので、今から泊まれる?と受付のおじさんに聞くと、目を見たまままばたきひとつせず、「ありません」とひとこと。極度の寝不足で、完全な被害妄想だけれど、映画の中の、なにか村人全員がつながってるおかしな村に迷い込んだような錯覚に陥ります(笑)。

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