アメリカにも牙を剝く韓国が夢想する、反米回帰の北朝鮮との統一

 

離米化する諸国

トルコ

トルコは、NATO加盟国であるが、ロシアのS-400迎撃ミサイルを購入し、米国はF-35戦闘機を売らないとしたことで、ロシアのsu-34戦闘機を購入し、国産化するという。しかし、シリアに展開する米軍の退避ルート確保の関係で、米国はトルコを非難出来ない状態になっている。その上にイドリブ地域の安全地域確保で、トルコ軍と米軍は、共同作戦本部を作り、トルコ軍がシリアのクルド人地域を攻撃しているが、米軍の駐留地域を避けている

トルコは、巧妙に米国とロシアの中間位置にシフトさせて米国から離れている。トルコはイランとも関係を持ち、イドリブを攻撃するシリアとは敵対しないようにしている。米国の覇権力が落ちて中東地域では中間位置に自国を持っていくことが必要になっていると見ているようだ。

サウジの同盟国UAEもイエメンから撤退してサウジから離れている。バーレーンはイランとの関係を維持し、トルコと同じ位置をキープしている。この地域でのトルコの影響力は強い。その分、米国とサウジの影響力が減っている

エルドアン大統領は巧妙であるが、西側から離れたことと利下げを先行する金融政策でトルコ・リラも大幅に下がっている。

韓国

これと同じ事が韓国に波及している。韓国も米国から継続を強く押された日韓軍事情報協定(GSOMIA)を破棄した。米国が強い不満を表明すると、韓国は米韓同盟より自国の国益が重要であり米国の不満表明を自粛しろとハリー・ハリス駐韓米国大使を呼んで抗議した。韓国は、米国に対しても強気な対応をしている。

その後、米国務省は「最近の韓日対立を考えると、リアンクール岩礁(竹島)での軍事訓練のタイミング、メッセージ、そして規模の拡大は、問題を解決するのに生産的ではない」とし、同盟国の防衛訓練に対して異例の批判を行った。これに対して、韓国は国益に口出しするなと米国に抗議した。

日本は韓国を「ホワイト国」除外したが、貿易管理という意味では、米のNPO、Institute for Science and International Security(ISIS)が、今年5月に発表した、200カ国の戦略物資の貿易管理システムの評価結果では、韓国は17位であるのに対し日本は36位と韓国のシステムの方が高評価されている。

このため、韓国は、日本に対して、「ホワイト国」除外は、徴用工賠償請求に対する報復であると言うのであるし、日本が韓国の貿易管理不具合を指摘できない理由でもある。しかし、世界的には韓国を「ホワイト国」にしていない。これは、管理レベルの他に、お互いの国の信頼という要素がある。日本との貿易管理の会議を拒否した韓国を信頼できないと言い始める必要がある。

しかし、日本も米国のISISの記事を見て、外務省は韓国との定期的な会談を行うとした。しかし、米国の要請を拒否して、韓国が自国の国益を優先したことで、米国は在韓米軍の撤退を志向する必要が出てきた。日本の自衛隊の支援なく米軍が韓国では行動できない。

このため、今年の米韓協議で、駐留費の5倍増を正式に要求することになる。逆に、韓国安保会議(NSC)は、26カ所の在韓米軍基地を早期返還させるとした。米韓共に同盟終了に動き始めている。

もう1つ、米国の軍事費増大が限界になり、世界規模での前方展開態勢を見直す必要になって、望まれない在韓米軍の撤退を優先的に行うことになる。

そして、韓国の離米に合わせて、北朝鮮の崔善姫外務次官も米朝実務協議の開催は困難になったと表明。ICBMや核実験も再度始める可能性が出てきた。その時、在韓米軍が撤退していると北朝鮮攻撃ができる状態になる。

韓国の文政権は、米韓同盟を破棄しても自国の国益を優先するとしたので、北朝鮮との統一を優先して実現するようである。というように、韓国は離米に舵を切り北朝鮮は反米に戻ると見るべきである。アジア地域での米海軍が中国海軍に負けているという豪州シンクタンクの報告が、大きく影響しているように思う。

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