確定拠出年金の利益の半分は手数料で取られる
確定拠出年金は、加入することによって平均で1~2万円の節税になります。しかし国と金融機関への手数料が年間数千円かかるので、節税額の半分くらいが手数料で消えてしまうのです。
しかも、確定拠出年金は給付時にも手数料がしっかりかかってきます。給付時に取られる手数料は、給付1回につき432円です。これも「国民年金基金連合」に吸い上げられます。この国がピンハネしている手数料の受取先である「国民年金基金連合」というのは、厚生労働省などの天下り先になっている機関です。つまりは、霞が関の官僚たちの天下り先にお金を回すために、「確定拠出年金」は手数料を異常に高く設定しているのです。将来不足するであろう年金を補うために国民が自分で年金を積み立てるように作った制度でさえ、役人はピンハネしているのです。しかも、一人一人から年間1,200円以上とっているわけだから、その額はかなり巨額となります。もし1,000万人が加入すれば、120億円になります。
こういう仕組みは、何も確定拠出年金に限ったものではありません。国民生活のあらゆる部分に及ぶのです。霞が関の官僚たちは国民にとって必要な制度をつくるとき、必ず、ピンハネする仕組みをつくって、自分たちに利益を誘導するのです。
雇用保険、労災もピンハネされている
キャリア官僚にピンハネされているのは、確定拠出年金だけではありません。国民生活のあらゆる場所に、官僚のピンハネの仕組みがあるのです。たとえば、雇用保険、労災などもそうです。
雇用保険、労災は、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」、独立行政法人「労働者健康福祉機構」などの運営費も支出しています。この「労働政策研究・研修機構」「労働者健康福祉機構」というのは、労働保険業務を補完するような役割を持っています。
が、両機構とも、別に厚生労働省がやればいいんじゃない?という業務しか行っていないのです。ざっくり言えば、厚生労働省の業務の一部を、この「労働政策研究・研修機構」「労働者健康福祉機構」に振り分けているということです。
そして、この「労働政策研究・研修機構」「労働者健康福祉機構」も、厚生労働省の官僚の出向先、天下り先になっているのです。つまりは、雇用保険、労災の財源を使って、官僚たちは天下り先を確保しているのです。
そもそも、雇用保険や、労災というのは、労働者の雇用補償や健康補償のためにあるものです。しかし、日本の雇用保険は非常にお粗末なものです。先進国に比べれば、給付額や給付期間がはるかに短いのです。それが、中高年の自殺や、子供たちの貧困につながっているのです。
それも、雇用保険の財源が、本来使われるべきところに使われずに、天下り官僚などに費消されているからなのです。
またキャリア官僚によるピンハネは、他にも多々あります。健康保険にも、官僚の天下り先になっている機関が多々あるのです。社会保険やそれに類するものは、ほとんどが何らかの形で、国家にピンハネされているといえます。
税金や社会保険料というのは、官僚たちの利権がびっしり張り付いているのです。増税などを言い出す前に、まずは税金利権を全部整理し、国民が払いすぎている税金や社会保険料を返還すべきです。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋)
image by: 厚生労働省 - Home | Facebook
※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2019年9月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。
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