まだまだ昭和の発想。夫が受給するには厳しい遺族年金という制度

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配偶者死亡後に受け取れる遺族年金は受給者の多くが女性ですが、妻に先立たれた夫が受け取る場合、注意点等はあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』で著者のhirokiさんが、事例をあげて具体的な数値を出し解説しています。

今もなお夫への支給は条件が厳しい遺族年金の制度

遺族年金は多くの人が知ってる年金ではありますが、受給者の多くは女性であり女性に有利な仕組みである点も特徴といえます。理由としては、昭和の時代は夫が働きに出て、妻は家を守るという家庭が多かったので、もし夫が亡くなると遺された妻の生活保障としての機能を果たすためのものでもありました。夫が亡くなってしまったら家計収入が著しく減少する事が想定され、遺された妻や子は生活に困窮してしまう恐れがあるからですね。そのような名残で、今の制度は女性に有利です。あと女性の方が長生きだから、それで受給者は女性が多いというのもありますが^^;。個人的な感覚としては、遺族年金受給者はほぼ女性ですね。

とはいえ、昭和61年4月からの男女雇用機会均等法施行から女性も働きに出る事が多くなりはじめ、夫サラリーマンで妻は専業主婦の構図は徐々に減少傾向となっていきました。共働き世帯が平成9年頃から妻が専業主婦という世帯より多くなってきた。さらに経済成長が停滞し、給料も上がりにくくなり雇用の安定しない労働者が非常に増え、夫が働きに出ているからといってもそれで十分な給料という事も時代に合わなくなってきました。昭和の考え方は今の時代にはもう当てはまらない。よって、遺族年金の男女差も少しずつ解消してもいいのでは?とも思います。

なお、平成26年4月以降は国民年金からの遺族基礎年金が夫にも支給されるようになりました。それにより、「子(18歳年度末未満)のある妻、または子」だけでなく、子のある夫も支給対象となったわけです。でもまだまだ、男女差は大きいですけどね。

という事で今回は妻が死亡した場合の夫への遺族年金はどのようなものなのかを見ていきましょう。

1.昭和35年4月16日生まれの男性(今は59歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

20歳になる昭和55年4月から昭和58年3月までの36ヶ月間は昼間学生として国民年金には強制加入ではなかったので加入しなかった。しかし36ヵ月は受給資格期間を満たしたりする場合のカラ期間となる。昭和58年4月からサラリーマンとなり、60歳の前月である令和2年3月まで厚生年金に加入する。

なお、平成15年3月までの240ヶ月間の平均給与(平均標準報酬月額)は48万円とし、平成15年4月から令和2年3月までの204ヵ月の給与と賞与の合計額の平均(平均標準報酬額)は57万円とします。

平成12年5月に10歳年下の女性と婚姻し(当時夫は40歳で妻は30歳)、平成30年1月14日に厚生年金加入中の病気で妻死亡。妻の厚生年金期間は平成27年9月から死亡日の翌日の属する月の前月である平成29年12月までの28ヵ月間のみ。28ヶ月間の平均標準報酬額は25万円とします。

平成30年1月14日時点で、平成12年10月生まれの子(死亡当時17歳。現在は18歳年度末の平成31年3月を迎えている)がいた。死亡日までに一定の年金保険料納付期間が無いといけないですが、特例として直近1年に未納が無いからそこは問題ない。死亡時の収入(死亡年の夫の前年の収入)は850万円未満とします。

夫は妻死亡時点で、55歳以上だったために遺族厚生年金の受給権者となっていた。また、死亡時点で18歳年度末未満の子が居るので国民年金から遺族基礎年金も出た

  • 遺族厚生年金額→25万円×5.481÷1,000×300ヵ月(28ヶ月間しかないが厚生年金加入中の死亡は300ヵ月保障)÷4×3=308,306円
  • 遺族基礎年金→780,100円+子の加算金224,500円=1,004,600円

よって、年金合計額は

  • 遺族厚生年金308,306円+遺族基礎年金1,004,600円=1,312,906円月額109,408円

その後、子が平成31年3月で18歳年度末を迎えたために、平成31年4月から遺族年金が全額停止となった。年金は0円となる。なぜかというと、夫が遺族厚生年金を貰う場合は本来なら60歳まで停止となる。ただし、遺族基礎年金が出る場合は例外として60歳前から遺族厚生年金も遺族基礎年金とともに貰える。で、夫が60歳を迎えた令和2年4月の翌月から遺族厚生年金308,306円(月額25,692円)が支給再開となる。

ところで夫の遺族厚生年金には中高齢寡婦加算585,100円は付かない。寡婦に支給されるものだから夫はダメ^^;。

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