何も悟ってないさとり世代にいじめ根絶を意識させる大人の責任

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「さとり世代」とは欲のない若者たちを指す言葉ですが、この若者たちの特徴は「いじめ」に対してどのような問題を引き起こすのでしょうか。今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、「いじめとさとり世代」というテーマで、子供達の手本となる大人が示すべき姿勢について論じています。

いじめとさとり世代

さとり世代という言葉がある。物欲が少なく、無駄な努力をさけ、人間関係も無理に広げず、ほどほどの生活で満足する。そんな若者の気質を表す言葉である。過度に欲しがることはせず、現状を受け入れ、さとりきったような生活スタイルということで呼ばれるようになっている。立身出世を目指すコースに見通しが立たず不況の中でもそこそこの豊かさの中で暮らせるそういった時代背景がさとり世代を生んだと言われている。

ではさとり世代は学校の中では、どのような生き方をしているのだろう。そこにはスクールカーストの中、いじめをなくそうと努力するわけでもなくいじめの被害者を冷ややかに眺めるといった子供たちの姿があるのではないだろうか。また真面目に努力することに対し、「意識高い系といった冷やかしと敬遠の目を向ける姿もあるかもしれない。

スクールカーストの由来となっているインドのカースト制では、生まれたときからバラモン、ヴァイシャ、クシャトリア、スードラといった身分が決まっている。そしてカースト制に基づく差別は現代でも続いている。

しかしインドの釈尊は、「人の貴賤は生まれによって決まるのではなく行いによって決まる」そう語り、カースト制を明確に否定している。

スクールカーストを超え努力する生き方の価値に目覚める。さとり世代と呼ばれる若者たちがそんな生き方をするならば、さとり世代という言葉は、あきらめるという意味ではなく本当の意味で使われたことになるだろう。

それは若者たちに、努力によって人生を切り拓く人たちの姿を見せることから始まるのではないだろうか。努力によっていじめをなくそうとする姿を見せることが大切なのではないだろうか。

それに対し冷やかしや時には敵意を向けられることもあるかもしれない。しかし釈尊は語った。「沈黙している者も非難され、多く語る者も非難され、少し語る者も非難される。つまり、世に非難されない者はいないのである」

いじめをなくすために努力を続ける人たちの姿は、いじめで苦しむ子供たちの希望の光であることを忘れずにいたい。

守矢光児

image by: Shutterstock.com

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