消費税の負担は後から効いてくる
今回の消費税導入にともなって、政府は「今のところ景気への影響は出ていない」と発表しました。が、それは当たり前です。消費税の害は、後からしか現れないからです。
「消費税は国民に負担感を感じさせることなく、広く浅く取ることができる税金」
消費税の導入時、政府はこういう説明を繰り返し行いました。確かに、消費税というのは、直接税に比べれば払うときに負担感がないのです。今回も、増税されたのは2%だけなので、一回、一回の負担感はそれほどでもないでしょう。しかし、それは単に支払う回数の違いだけなのです。
直接税は、一回で払わなければならないので、負担感が大きいのです。しかし消費税は、買い物するごとに、何百回、何千回と払うものなので、一回の支払いでの負担感は小さくなります。それは、当たり前のことです。消費税というのは、一回、一回の支払いでは大した影響はありませんが、長期間をかかって確実に家計に影響を与えるものなのです。
ローンのことを考えてみれば、わかるはずです。ローンで買い物をすれば、一回、一回の支払額は小さいので、負担感が少ないものです。しかし、何度も何度も支払わなければならないので、そのうちに負担感が増してきます。というより、ローンで買い物をすれば、給料から強制的に差し引かれることに、必然的に、自分が日常的に使えるお金が減ります。
それは、消費税にも必ず言えることなのです。一回、一回の買い物ではそれほど負担感はなくても、トータル的に、自分の「使えるお金」や「買える商品(サービス)」は確実に減っているわけです。それは、通帳残高や手持ちの現金残高に必ず反映されます。その結果、消費は冷え込みます。
実際、消費税が導入されてから、消費は落ち込んでいます。90年代、2010年代、日本の景気は一瞬、回復しかけましたが、消費税の導入と税率アップで、吹っ飛んでしまったことは、記憶にあるはずです。消費税は、確実に国民の懐を痛め、経済力を衰退させるのです。その害は、弱いものから影響受けます。そしてボディーブローのように後から後から効いてくるのです。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋)
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※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2019年10月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。
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