夢を目的と目標に分け達成期限を決める。プロが教える自己実現法

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スポーツ選手や起業家の成功体験に影響を受け、思わず自己を顧みず「壮大な夢」を抱くことはありますが、具体的な計画がないままでは、当然のことながら実現は厳しいのは言わずもがな。しかし、「目標の立て方」が判れば夢に近づける可能性はぐんとアップするのもまた事実ではないでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、トップアスリートや企業でも活用されている能力開発プログラム指導者の言葉を紹介しています。

甲子園で優勝できる確率は何%? 覚張利彦(SMIオブジャパン公認エージェンシー“リバティ福岡”北海道エリア担当・「キャリエール札幌」代表)

2004年、2005年の夏の甲子園大会で連覇を遂げた駒大苫小牧高校へ、初めてメンタルトレーニングに伺った時のことである。野球部員の皆に目標は何かと尋ねたところ「日本一です」という答えが返ってきた。私は「日本一になれる確率は4,200分の1しかないその確率はたった0.0002パーセントで失敗の確率は99.9998パーセント。やっぱり無理だな、と思った人は?」と聞くと、全員の手が挙がった。甲子園に出場すること自体からも遠ざかっていた2000年当時のことである。

続けて私が「では日本一ではなく、北海道一になりたいと思ったことは?」と聞くと、考えたこともないというふうだった。北海道一にならなければ、当然日本一にはなれない。また、北海道一になるためには区内一、その前にはやはり、市内一になる必要がある。私は彼らに、今年はここまで行くんだという明確な目標と達成までの期限を決めさせそれを用紙に記入させた。高校球児は得てして「夢は大きく達成は超白昼夢」という状態になりがちだが、達成は超現実的に考えていかなければならないのである。

私自身がこうした能力開発プログラム「SMI」に出合ったのは、20年近く前のことだった。米国のポール・J・マイヤーによって1960年に創始された当プログラムは、現在28か国語に翻訳され、世界80か国以上で活用されている。

当時26歳だった私は、薬品会社の営業マンをしていたが、SMIのスタッフと出会い、「夢は何かと聞かれた時に何一つ言葉が出てこなかった。つまり、自分に夢と目標がないということにすら気付かない恐ろしい状態で生きていたのである。

私はそのスタッフから「夢と目標をセットしなければ人の能力は絶対に向上していかない。そしてもし夢を持ったなら、その夢を目的目標に分け達成までの期限を決めなさい」とアドバイスを受けた。言われたとおり、目標と期限を設定してそれに懸命に取り組むと確実に成果が出始め、瞬く間に全国トップの売り上げを記録した。さらにその原理を自分の部下にも使ったところ、同様にぐんぐんと数字が伸びていったのである。

私はこのプログラムの素晴らしさをより多くの人に伝えたい、と退職を決意して札幌に代理店を設立。以来、スピードスケートの清水宏保選手や堀井学選手らトップアスリートを始め、企業や教育機関などにプログラムの提供を行ってきた。

私が思うに、ほとんどの人は明確な目標を持っている時、懸命にそれに取り組む。しかし本当の苦しみはその目標を達成した後に始まるのではないだろうか

例えば念願の金メダルを手にした途端、ケガや不調に見舞われ、試合に勝てなくなる五輪選手。「地域一番店になる」「自社ビルを建てる」と燃えていたが、その目標を達成した後、目指すべきものが分からなくなり、行き詰まっている経営者。

その人がいる「現在地本人の成長段階に合わせて刻々と変化していく。私が、夢や目標を持つということと同等に大切だと思うのは「いまの自分の実力を知りその実力に合った目標を設定できる」ということ。世の中で成功し続けられる人というのは、一様にこの能力を備えた人ではないかと思う。

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