「何をどうすれば売上が上がるのか」はものを売る全ての人間の永遠かつ共通の悩みですが、「NGな接客法」はあるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが紹介しているのは、お客様の財布の中身の「ダメな想像の仕方」。坂本さんは記事中で納得の論理を展開しています。
財布の中身
販売をやっていて、売上を上げる人と、そうでない人との違いの1つに、財布の中身の想像の仕方があります。売っている人と、そうでない人とでは、お客様の財布の中身の想像の仕方が大きく違うのです。
どういうことかというと、売上がなかなか上がらない人は、お客様の財布の中身を、自分の財布の中身で想像します。
これは人にもよる話にはなってしまいますが、例えば、私の場合で言いますと、販売員として働いている頃は、かなり財布の中身がさみしいことになっていました。もともと、家も裕福な家庭ではなかったですし、何より、私自身が、いろんなことにお金を使ってしまう、あまりよろしくないタイプの人間のため、財布の中身はいつも、寂しい状態だったわけです。
この状態は、あくまでも私自身の話なのですが、それが「お客様もそうだろう」という感覚だと、モノは売れなくなります。自分の財布の中身を想像してしまって、「いや、この金額はなかなか出せないよね」「これって結構高いよね」という感覚になってしまい、お客様にオススメすることに気が引けてしまうのですね。
ですが、お客様の財布の中身は、自分とは絶対に違います。自分がお金を持っているかどうかは関係なく、お客様はお客様の財布の中身があるわけです。
見た目では同じような年代だとしても、仕事も生活も違うわけですから、ものすごくお金が入っている人だっています。見た目や自分の感覚で判断するようなことでは決してないのです。
売っている人は、お客様の財布の中身を勝手に決めつけることがありません。「この人は、自分と歳が近そうだから、あんまりお金がないだろう」「この人は、こういう仕事だから、あんまりお金を持っていないだろう」という想像ではなく、「いやいや、自分とは違うんだから、わからないよね」と、お客様毎に財布の中身なんて違うことを理解していて、そこに対して、勝手に提案しても良いかどうかを決めつけないのです。だから、自信を持って提案ができますし、それにより、モノが売れていきます。
実際、人の財布の中身なんて、わかるようなものではありません。稼いでいる人は稼いでいるし、たとえ、給与の額面的にはあまり高くなくても、やりくり上手で、お金をしっかりキープしている人だってたくさんいます。それを勝手に想像してしまって、「いやいや、この人は出せないから」なんて決めつけることには、何の意味もないのです。
どうせ想像するくらいなら、「この人は、100万くらい財布に入っている」「この人は、貯金が何千万円もある」くらい、大きく想像した方がよっぽどマシです。本当にそうかもしれませんし、それなら、自分の財布の中身をイメージして、提案するのに気がひけるなんてこともなくなります。
自分自身の財布の中身が、パンパンだろうが、薄くなっていようが、お客様の財布の中身は、自分とは違う。それをまず理解しておくことが大事です。
今日の質問です。
- お客様の財布の中を想像するということは、どんな弊害があると思いますか?
- もし想像してしまうとしたら、どんな想像の仕方をしておいた方が良いですか?
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