子育てのひとつの終着点は、子どもをしっかりと「自立」させることかもしれません。では「自立した人」とはどんな人なのでしょう。ひとりで何でもできる人でしょうか?メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんが、自立とは「人に頼らなくなること」ではなく、本当に身に付けるべき力があると教えてくれます。
自立するって頼ること!
1.人に頼る力をつける
「人に頼る力」をつけよう、と言うと、自立とは逆に聞こえます。自立とは「人に頼らなくなること」ではありません。むしろ「頼れる人を増やしていくこと」です。自分の「困りごと」を、自分で解決するためには、一人で出来ないことは、「人に頼る」ことになります。
例えば、一人暮らし先で、高熱を出し身動きが取れないとしたら?もしも家族がそばにいれば、自分は何もしなくても病院へ連れて行ってくれるでしょうし、温かい食事や身の回りの世話もしてくれるでしょう。
しかし今は自分で何とかするしかありません。その時に「人に頼れるか」です。つまり「助けてくれ」と、他人にアクションを起こせる力があれば、病院にも行けますし、温かい食事も、身の回りの世話も問題ありません。
この例は極端かもしれませんが、「困りごと」を抱えた時に、「助けて」と頼れる人が多ければ多いほど、人は生きていけます。
2.共有・分かち合う力
親元を離れて一人暮らしをするようになると、よく親のありがたみがわかる、などと言いますが、人との関わりがいかにありがたいか、と言うこともわかります。「困りごと」を他者に話すことで解決したり、気持ちが楽になったりします。
これまで「一人で抱え込んでいた」ことが、他者と共有すること、分かち合うことで解決に向かうからです。
家庭教育アドバイス…「繋がることの大切さ」
人は自立していようがいまいが、集まればコミュニティができます。家族、親戚、趣味のグループ、学校、企業、地域、社会活動グループなど様々です。その中には繋がって窒息しそうな人、繋がらずに、はぐれている人もいるでしょう。
それぞれに、生きにくさも持っているかもしれません。けれども、繋がってさえいれば、「助けて」と言えなくても誰かが気づいてくれます。「助けて」と言えれば、「助ける」こともできます。
繋がることは、生きる上で欠かせない大切なことなのです。「頼れる先」を増やすことこそが、社会と繋がり自立する、ということなのです。
image by: Shutterstock.com