SNS社会は魔物です。誰もが自由に評論家口調で他人を叩くことができ、賛同する人がいれば自分に酔い、承認欲求を満たすことができます。このような感情には麻薬的な快感があるため、段々とエスカレートしがちです。
個人的な話になりますが、度重なる豪雨による被害で、私の元にもたくさんの情報がダイレクトメッセージで送られてきました。
「〇〇村が河川の氾濫で孤立しています!薫さん、情報発信してください!」
「〇〇山で土砂崩れがおき、閉じ込めれている人がいます。写真を添付します!」
といった具合です。
私はすべてにおいて自分が見て聞いたものしか発信しない主義なので、メッセージを送ってくださった方には、「当事者なのか?自分で撮った写真なのか?」ということを確認しました。するとメッセージのほとんどは「直接被災した人」ではなく、間接情報だったのです。
彼らには「正義の行い」として、人助けをしたい、力になりたいという気持ちがあったのだと思います。でも、そういった気持ちが、一歩間違えば全く無関係の被害者を生む可能性があることを、私も含めてすべての人が緊急時であればあるほど忘れてはいけないのだと思います。
みなさんのご意見もお聞かせください。
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※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年10月30日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
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