韓国に譲歩はNG。尊厳と国益を大きく損なうニッポンの甘い対応

 

米軍のシリア撤退回避

米軍は、シリア撤退といいながら、クルド人支配の油田地域に移動して、クルド人部隊と共同でパトロールを開始した。この油田地帯は、トルコとイラクの国境付近のシリアであり、ISは崩壊し指導者アブバクル・バグダディを殺害したので、敵はISからトルコとロシアイランになっている。

このため、戦車を配備することとした。何のことはない、シリア撤退回避になっているが、米軍の状況は周囲を敵に囲まれた状態になってきたことになる。

軍産複合体の共和党議員は、トランプ大統領の弾劾裁判を否決する代わりに、シリア撤退回避の取引(ディール)をして米軍をクルド人地域に残留することになったのである。

このため、ペロシ議長が行った米下院の大統領弾劾手続き決議で、賛成票232、反対票196と共和党は、全員が反対で民主党からは2名が離反し、反対票になった。取引は成功して、トランプ大統領も弾劾調査で無実であることが判明したとツイートしている。

上院は、共和党が多数派であり、多数の共和党の議員が離反しない限り、裁判が否決されることになる。このため、ペロシ議長は、世論に訴えるために、公開での討議を行うために下院で決議をしたのであるが、裁判自体は否決されることが確定した。

しかし、この米軍シリア撤退騒動で、米同盟国であるイスラエルのネタニエフ首相もトランプ大統領は信用できないと述べている。米軍の信頼感を大きく傷つけているが、それをトランプ大統領は狙ったとも見える。米軍の信用を落として、各国が自立することであると暗にトランプ大統領は述べているのだ。

米中通商交渉

中国は、民主党バイデン候補がウクライナ疑惑で失墜したことで、トランプ大統領が再選されると読み米中貿易交渉を真剣に行い始めた

ウォーレン候補が大統領になると、米国株価は25%以上も下落することになり、対中政策もトランプ大統領よりも厳しいことになる。

ウォーレン候補よりトランプ大統領の方が、交渉がしやすいと見ている。トランプ大統領も再選のためには中国が米農産物を大量に買い米国製品も買ってもらう必要がある。

中国は国家体制の変更になることはしないし、国内を説得できないため、貿易赤字解消の部分合意はできるが、国内制度改革などの完全合意はできない

その上、中国の経済は、米国との貿易が少なくなり、不景気になって、地方銀行の信用不安も出て、これ以上の貿易縮小を防ぐ必要がある。

米国も、選挙前に農家の支持と製造業の支持を得るために部分合意をしていくことが必要になっている。このため、米中は部分合意でまずは決着したようである。当初の見込みのような感じになってきた。

そして、チリのAPEC会議の合間に米中首脳会談で合意する予定が、チリの混乱で、APECが中止になり、トランプ大統領は農業州であるアイオワ州で調印式を行いたいと言っている。農家のための合意であることをアピールしたのであろう。

しかし、香港で天安門のような事件になったら、人権問題であるとペンス副大統領は、中国をけん制している。ハイテク問題と人権問題を米国は中国に突きつけてトランプ大統領はディールを有利に進めたいようである。

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