【書評】中国に使われ続ける朝日新聞。どちらが本当の反日なのか

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その言説がしばしば「反日的」などと揶揄される朝日新聞。片や韓国と並ぶ反日国家として認識されてきた中国。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが取り上げているのは、その「どっちが本当の反日か」をタイトルに掲げるセンセーショナルな一冊です。

偏屈BOOK案内:高山正之『変見自在 習近平と朝日、どっちが本当の反日か』

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高山正之 著/新潮社

2015年の『習近平よ、「反日」は朝日を見習え』を4年後に改題した文庫本。中国の反日の先生は朝日だったのが、どっちもどっちになった。今でも朝日の捏造や誤報は枚挙に暇がなくまさにお家芸。産経の高山正之は、若手記者にあまり手本にしてほしくない、と一部上層部が思うほどの「平成最後の無頼派記者」だが、多くの朝日新聞現役記者に読んで欲しい、と後輩の福島香織(いま活躍中のジャーナリスト)が解説で書く。

英語を話す人たちの程度を知ろう」が痛快。終戦後に日本に来たニューズウィーク記者某が、日本人が1万の漢字とひらがな、カタカナ各50文字を使って読み書きしていると聞き驚く。アルファベットの400倍もの分量だ。26文字しかないアメリカの識字率が60%だから日本の識字率はコンマ以下だろう、日本の文盲はGHQの進めるローマ字化で新聞が読める日が来る、と書いた。

GHQの32歳の教育局員は、ローマ字化で馬鹿な日本人を救えると思った。文部省は日本人が文盲かどうか、まず漢字テストをやってくれと頼んだ。48年8月、無差別抽出の1万7,000人がテストを受け、結果、識字率98%、アメリカ人のそれを35%以上も凌ぎ、担当者は馘首。戦後日本は、アルファベットまで包摂した。

むしろ仮名をもたず、漢字だけの中国人の方が困っている。民主主義という言葉を「徳莫克拉西(デモクラシー)」と書いたが、意味が分からない。日本が「民主主義」と表記するのを待ってそれを取り入れた。適応力のある戦後の日本人は「ページ」「ID」などを、英語のまま使い出した。困った中国は「日本人は優れた漢字表記に立ち戻れ朝日新聞をつかって宣撫工作を続けた。

国際法規では降伏するとき、白旗を掲げたうえ、この艦の持ち主は貴方ですという意味で「船尾に降伏した相手国の海軍旗を掲げる」のが形とされている。先の戦争で日本と戦ってもいない韓国が、「侵略の象徴」とかいって、旭日旗をやたら毛嫌いし、因縁をつける。それは勝手だが、いつか日本との海戦のとき、旭日旗を掲げないと降伏とみなされず沈められてしまう、ンですよ。

日本軍はこの世の現実とは思えないほど強かった」とヘンリー・ストークス『英国人記者が見た 連合国戦勝史観の虚妄』にある。「プリンス・オブ・ウエールズ」は英国の誇る無敵の超々弩級の戦艦である。それを日本は、予想もしない航空機攻撃で沈めてしまった。英国は香港・九龍の奥やマレーに堅固な要塞を築き、軍事常識では3カ月は持つ堅塁だったが、日本軍は1日で落とした

白人世界ではそんな強い敵と過去に戦ったことはなかった。英国の国立陸軍博物館が歴史上の陸戦のうち、何が歴史的、政治的に重要だったかアンケート調査を行った。110人の投票者は、ノルマンディ上陸(27票)、ワーテルローの戦い(24票)に大差をつけた54票で、日本軍相手のインパールの戦いを選んだ。理由は「どの白人国も勝てなかった日本軍を英軍が破った」から、だった。

福島香織が外信部の先輩記者から、外信でどんな仕事をしたい?と聞かれたとき、ずっと憧れ意識し続けてきた高山正之の名前を出して、「取材もできてコラムも書ける、あんなオールマイティの特派員になりたい」と言いかけると、「おっと、その名は不吉だ!入社面接で口にしたらぜったいに落ちる」と口をふさがれた……というのは半分冗談だというが、さもありなん。

編集長 柴田忠男

image by:  Hadrian / Shutterstock.com

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