池田教授の憂鬱。人為的地球温暖化という似非科学を信じる日本人

 

最近、そのことを象徴する裁判があった。ホッケースティックグラフ(人為的地球温暖化論者の間で英雄扱いされているマイケル・マンがでっち上げた、20世紀の後半になって地球の温度が急激に上がったように見せかけるグラフ。人為的地球温暖化論者に聖典のように仰がれている)がデタラメだと激しく批判したティム・ボール(カナダ・ウィニペグ大学元教授)を、マンがボールの住むカナダ・ブリティシュコロンビア州の裁判所に名誉棄損で訴えたのだ。典型的なスラップ訴訟(強者が弱者に対して起こす嫌がらせ訴訟)である。

マンは莫大な資金力を持つ環境利権団体をバックに持つが、ボールは後ろ盾を持たない貧乏学者である。和解をせずに裁判で争うためには100万ドル程度の弁護費用が必要だ。怖気づいて和解に応じるに決まっていると、マンやその支援者は簡単に考えたのであろう。しかし、ティム・ボールは和解に応ぜず頑張ったのである。ボールの意気を良しとした懐疑派の個人からの献金が相次いだこともボールの心を支えたに違いない。

結果は、マンの完全敗訴で、ブリティッシュコロンビア州の最高裁判所は、原告(マン)の訴えを棄却し、被告(ボール)の弁護費用の全額を賠償せよ、と原告に命じたのである。被告が求めた、マンがホッケースティックグラフを作成するために使用した原データを開示せよ、という請求を拒んだことが、敗訴の大きな理由である。もともと捏造したのだから原データを開示できるわけがないのだ。

この裁判も日本のマスコミ(少なくとも朝日新聞やNHK)は全く報じなかったが、世界の科学者の間では、最近とみに人為的地球温暖化論は怪しいと考える学者が増えてきた(詳しくは『「地球温暖化」の不都合な真実』マーク・モラノ著、渡辺正訳、日本評論社、2019 を読んでください)。危機感を抱いた温暖化論者はスウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんを篭絡して、地球温暖化対策は喫緊だという演説をさせたが、16歳の少女がいくら熱を込めて演説してもウソが真実に化けるわけではない。(メルマガより一部抜粋)

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