お客様は見ている。店主と従業員の間の冷めた空気感やPOPの汚れ

 

1平方メートルの掃除

近頃は、スポーツ店さんの売場も綺麗に商品陳列がされて、掃除も行き届いているお店が多くなりました。大型店の売場の影響でしょうか。とはいえ、まだまだ売場の清掃が不十分なお店があります。何十年も同じ環境で商売を続けていると、それに慣れてしまうのでしょう。

本当ならば、数年に一度は売場の改装をして欲しいところですが、必ずしもそうはいきません。費用的に無理なお店もあります。そこで私は、そんなお店には売場の整理整頓だけでなく、掃除をしっかりしていただくようにお願いをしています。

ただし、掃除には一つのルールがあります。それは、開店前の30分間、毎日一人が自分の持ち場を1平方メートルだけ徹底的に綺麗に掃除をする、というものです。それ以上の範囲を掃除してはいけません。次の日は隣の1平方メートルを掃除。これを続けるだけで、売場は見違えるように綺麗になります。しかも、従業員の皆さんの意識が変わっていくのです。

このお店が、今まで掃除をしていなかったのではありません。自分たちはきちんと掃除をしていたつもりですが、1平方メートルの掃除をし始めると、いかに大ざっぱにしか行っていなかったかということに気が付きます

まず、床の汚れです。拭けば拭くほど汚れが落ちていきます。次に気になるのが、商品陳列棚やハンガーの汚れです。徹底的に磨きます。プライスカードがついていなかったり、POPが古くなっていることにも気がつくようになります。

1ヶ月も続ければ、自分の持ち場の掃除がひと通り終わるでしょう。その頃には、従業員の皆さんに変化が現れてきました。例えば、少しでも床にゴミが落ちていると、すぐに拾うようになります。商品が歪んで陳列されていると、すぐに直します。汚れていたり、整理整頓がされていないと、気持ちが悪いのです。

売場だけでなく、トイレやお店の周りも熱心に掃除をするようになりました。1平方メートルの掃除を始めてから、お客様は以前より気持ちが良さそうです。売場の掃除が行き届くと、売上に良い影響が出るのは間違いありません。そんな習慣をつけていただくこともコンサルタントの仕事です。

■今日のツボ■

  • 強み弱み発見会議で、お店の方向性と課題を明確にする
  • 全員が日報を書くことで、情報の共有と意識づけができる
  • 1平方メートルの掃除を徹底的すると、従業員の意識が変わる

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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